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銀魂 −アインクラッド篇−

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・・・

『ソードアート・オンライン』
・階層:不明 現在地:不明


「――――妹が、任を終えた」

開戦当初から全く息の乱れが無いライトとは対照的に、目に見える傷が次々に増え続けている3人はその言葉に己の剣を止める。
そして、それに対して一番衝撃を受けているのは銀時であった。
「なん・・・だと・・・?」
「万事屋?どうした万事屋ッ!?」
「任を終えたってのは、まさか――――」
土方の一言で核心を得た。

任を終えた。


つまり、妹が二刀流使いを殺した。



キリトが―――――殺された?



銀時は力が抜けたように茫然とし、彼との距離をとっていたのにもかかわらず、そのまま無防備状態でライトに近づいていく。

「おいてめぇ!正気かッ!!?」
「戻れッ!万事屋ァッ!!」

土方と近藤の警告も聞かず、銀時はそのまま歩いていく。

「おかしくなったか?それとも、力量の差をやっと理解できたのか。それは利口――――」

その場で、誰もが捉えられないほどのスピードでライトの身体は宙を舞う。
彼自身も、まさか自分が宙を舞っているということに気が付いていなかった。


「何?・・・っ!」


目の前に、銀時の姿があった。

しかし、先程の彼ではない。


その姿はまさに・・・


「――――鬼?・・・・っ!!?」



今度は、地面に叩きつけられる。



鬼の姿が目で追えない。



スキルを発動しようとしてもその『先』から攻撃が放たれる。



「っ!!?・・・がっ・・・」


気が付けば、叩きつけられたと同時にライトの胸に木刀が刺さっていた。

地面を貫通し、動きたくても動けない。


「速い・・・・動けない」



無言となった銀時の姿に土方と近藤は息を飲む。


ライトは銀時に頭を掴まれる。


そのまま彼の右手の拳によって何度も何度も何度も叩きつけられた。


「ぐっ・・・うっ・・・・」


ライトは右手の黒刀で銀時の身体を斬り刻む。
だが、鬼はそんなことをお構いなしに殴り続けるのを止めなかった。


双方、HPが赤い危険域へと突入する。


この時、ライトは初めて彼に『恐怖』を感じた。



この男は『命』が惜しくないのか?




「鬼よ・・・貴様も死ぬぞ・・・」


「うるせぇ黙れ」



真っ赤なエフェクトで染まった鬼の拳から放たれる衝撃は尋常ではなかった。
頭蓋骨を通り越し地面がひび割れ、衝撃がまるで地震のようにその場にいた土方と近藤、新撰組のギルドメンバー、囚われたラフコフの下っ端たちにも体感できるほどであった。




ついに二人のHPが無くなろうとしたその時、銀時の後方から土方が駆け寄りその暴走する身体を拘束する。そんなこともお構い無しに銀時は殴り続けようとするも土方は必至にそれを止めようとした。

「落ちつけやがれッ!んなことしてもどうにもならねぇだろうがァッ!!」

「離せ邪魔だ」

「離さねぇッ!!てめぇに死なれると俺が困るんだよっ!!


てめぇがあっちに置いてきた『奴ら』のこと忘れたのかっ!!?



残された眼鏡とチャイナ娘の面倒は一体だれが見るんだァァァァァァ――――――ッッッ!!!!」



「っ!!!!」




新八――――神楽―――――ッ!




脳内に、二人の笑顔が浮かび上がった。

それと同時に銀時の身体から力が抜けた。
戦意を喪失したと確信した土方は銀時への拘束を解く。



「馬鹿野郎ぉが・・・頭冷やせ」
「・・・。」


我に返った銀時は、ふらふらと立つライトを見つめる。
お互い満身創痍の為、これ以上の戦闘は行えない。




「状況は圧倒的に不利。これ以上貴様らを相手にすることはできない。鬼よ・・・いずれ決着をつけさせてもらう。それまでこの勝負はお預けだ」

ライトは自身の頭上に黒刀を振りかざす。
その瞬間に洞窟の天井に轟音とともに大穴が開き久しぶりの青空が映る。ライトは自身の足を光らせて大きく飛び立ち、その大穴から逃げて行く。

「待て、追うんじゃねぇ。てめぇらがどうこうできる相手じゃねぇのはわかってんだろ」

後を追おうとした新撰組のギルドメンバー達を近藤は静止させる。

近藤は「帰るぞ」と銀時の土方の肩を叩き、洞窟の出口へと向かっていく。出口に着くまで銀時はずっと無言であった――――。