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はろ☆どき
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novelistID. 27279
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ハナボーロとウメコブチャ

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******

ちょうどその時ノックがあり、入出を許可するとホークアイが入ってきた。その手に書類の山を抱えて。
「あー、ホークアイ中尉。その、今日は鋼のに、この土産のお礼に夕食をご馳走しようと思っているんだが……」
ロイは少々青ざめながら恐る恐るホークアイに申告を述べる。
「まあ、それはよいですね、大佐。ぜひたっぷりご馳走してあげてください。私共からもそうお願いするつもりで、定時であがっていただけるように明日の朝までにお願いしたい書類を早めにご用意いたしました」
つまり夜いっぱいかけて済ませればよいものを全て定時までに仕上げろと……。
にっこりと綺麗に微笑む副官のありがたい配慮に、目の奥が熱くなるような気がするロイだった。たぶん眩暈的な理由で。
「エドワード君。お茶もお菓子もとっても美味しかったわ。わざわざお土産買ってきてくれてありがとう」
「どういたしまして、中尉。喜んでもらえてよかったよ」
エドワードははにかみながら応える。彼はホークアイの笑顔にロイとは違う意味で弱いのだ。いや、彼女が彼と自分に向ける笑顔の種類自体が違うのだが……。
ホークアイは追加の書類を執務机に積み上げ、代わりに決裁済の書類を抱えるとエドワードに向かって言った。
「今日は大佐にうんとご馳走してもらってね。万一残業になんてなるといけないから、お邪魔にならないようにあちらの部屋に行ってましょうか」
さあ、とホークアイに促されて素直に部屋を去ってゆくエドワードの背中を、恨めし気に目で追いかけていると、笑っていないホークアイの視線とぶつかる。
定時であがりたくばさっさと書類を確認しろと、鷹の目が雄弁に語っていた。
ばたん、と扉が閉じてしまった後、一瞬だけ呆然としていたロイだったが、気を取り直して残りの茶を飲み干すと机に向かう。
「さて、がんばるか」
エドワードと二人だけでゆっくり過ごすためにも。
そうして類稀なる集中力でもって書類を裁き始めた。

******

その夜、どれだけゆっくりと二人だけの時間を過ごすことができたのかは、翌日のロイの上機嫌ぶりで聞かずとも誰もがわかったのだった。
そんな些末事が、それを知る者の胸の内だけにまた一つ留められた。いつもその調子で書類を片付ければいいのに、という心の声と共に――。

fin