指先と髪の毛に
部屋に響く何かを吸っているような水音と荒い息と何かを捲る音。音だけを聞いたら何をしているのかを想像すると変な方向に行くだろうなと思いながらも、俺の目の前に跪くように座ってるアキラはチラチラと俺の顔を見ながら俺の指を舐めている。アイスでも舐めるかのようなその感触は未だに慣れない
「…アキラ」
「んっ、…なんだよ」
「そろそろふやけてくるからやめて」
「じゃー俺にもかまえよー」
口に入れたままの状態の指にアキラの歯が当たってむず痒くなる。それを知ってかコリコリと軽く歯を当ててニヤニヤ笑うアキラの頭を軽く叩く
「あーぁ、せっかく泉にかまってもらえると思ったんだけどなー?」
「…だったら朴のところにでも行けばいいじゃないですか」
「俺は泉がいいのー」
俺の手にあった本をサイドテーブルに置いて正面から抱きついてくる。アキラの髪が顔に当たるけど、その分アキラの匂いがする…。いつも皆を引っ張っていくけど、喧嘩早くて、恥ずかしがり屋で結構体調を崩しやすくって…だけど、そんなアキラが好きになったのは俺だ
「あー、泉の匂いがする―」
「そんなに匂いますか?」
「んーん、安心するだけ」
俺の好きなにおいなんて言いながら擦り寄るアキラの髪にキスを落としていく、くすぐったいとクスクス笑いながらアキラも似たようなことをしてくる
こんな幸せが続けばいい