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何ってェヨーグルトでしょうがァ

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「・・・何なんだコレは。」
「見て解ンでしょうがァ。ヨーグルトだよヨーグルトォ。」
「モノの名前を訊いてんじゃねぇ。」
「エ、じゃァ、ナニ。」
「何故、俺の前へコレを置くんだと訊いてる。」
「何故ってェ。食べろってイミでしょうがァ?」
「俺はヨーグルトなんぞ食わねぇ!つか」

なんでてめぇの顔が印刷されたコレを
俺の前へ置くんだ
喧嘩売ってやがんのか
と怒り出す高杉

「それに一体何だこの飲み物は!朝っぱらから!」
「なァに言ってンのかなァ高杉ィ?いちごオレは」

世界の朝の目覚めの一杯でしょうがァ

高級そーな銀製のトレイの上のパックの箱を取り上げて

「ほらァ」と側面見せてやる

「見て見てェ?オマエの格言だってェ。何ナニィ、」
「読むな!!つか俺に見せんな!」
「あ。照れてる照れてるゥ高杉ってば恥ずかしがり屋サン。」
「誰が照れてんだ!怒りだこれは!!大体、」

わざわざルームサービス取った挙げ句が

「なんで朝食セットがこんなモンなんだこのホテルは!」
「なんでェ?いーじゃん、紅桜編特別セットだよコレぇ?」
「俺はそんなもん頼んだ覚えは無ぇ。」
「オレが頼みましたァ。」
「てめぇ・・・俺に喧嘩売る気か銀時。」
「いやァ別にィ?ただホラ記念だしィ。今だけ限定だしィ。」
「俺はそんなもんには興味無ぇ。メニュー貸せ。」
「ダメだって高杉ィ。仮にもオレら今度の主役よ?」
「俺は別に主役じゃねぇがな。」
「またそうやって拗ねるゥ。」
「拗ねてねぇ!」
「主役のオレらがコレ食わなくてどーすンの?」
「俺の知ったこっちゃねぇよ。」
「折角のタイアップだよォ?二度と無いよこんなん?」
「知るか。」
「てコトでェ。」
「あっ、銀時てめぇ!」

開けんな
俺は食わねぇぞ、と叫ぶ高杉を尻目に
オレはビララッ、とヨーグルトの蓋開けて高杉に渡す

「ハイこれ。高杉の分。」
「・・・・・・。」
「遠慮しねェでいいよォ?オレんはコッチあるしィ。」
「あっ、コラ開けんじゃねぇ!俺は食わねぇ!」

また
ビララッ、ともう一つのヨーグルトの蓋開けて

「わぁあ。高杉のヨーグルトォ!」と喜ぶと
ハシッ!と高杉がオレの頭叩く

「痛ェなァ。ナニすんの高杉ィ?」
「余計なこと言うな!」
「アーハイハイ。ごめんねェ。高杉ってば照れ屋さんだったァ。」
「照れてねぇ!」
「ったく。素直じゃねェんだからァ。」

オレは高杉の格言読みながら
いちごオレのパック開けて
2つのコップにピンク色の液体注ぐ

「俺は要らねぇ!」
「っつうかさァ、コレってェ。」

微妙に違うくね?

高杉の顔面にそのパック差し出してやる

「あぁ?」
「ホラ見て?オマエの台詞、微妙に違くね?」
「何がだ、ってオイ、どさくさに紛れてくっつくな。」
「だって読みにくいじゃん?と思って。」
「箱ごと俺に渡せば済むことだろうが!」
「だってェ。折角一緒のベッドに居ンだしィ。」
「くっつくな暑苦しい。つか読めねぇ、近い!」
「ハイハイ。ホーラね?」
「何・・・あ・・・クク・・・間違ってやがるぜ。」
「だろォ?微妙に違うと思ったんだよねェ。」
「てめぇにしちゃ上出来じゃねぇか、銀時。」
「わァい、もっと褒めて褒めてェ?」
「褒めるか。馬鹿かてめぇ。」
「今はァ褒めて伸ばす教育が流行ってンだ。」
「知らねぇ。」
「ホラ、褒めてやっとさァ、ココも伸び、」
「何処触ってんだ離れろ!!」
「ぐェ、」

だーってさァ
まだ昨日の夜のまんま
素裸じゃん高杉ィ

「誘ってンのかと思うだろ普通ゥ?」
「お前も裸だろうが!」
「だからオレはいつでもスタンバイってコトで、」

今度は枕で
思い切り頭殴られてオレは
やだなァ高杉ってばDV男なんだからァとシーツに突っ伏す

「止めろ!お前、箱にまだいちご牛乳入ってんだろうが?!」
「アァ?あ、そうだァ。」
「あーっ、ほら見ろ!零しやがってシーツに!」
「アァ・・・。まァいーじゃん。皆、高杉のアレだって思ってくれ」

今度こそ本気で抜刀された刀
オレは木刀で受けて
ニヤリと笑う

「どーせ、皆にゃハナっからバレてんだからァ。」
「そういう事じゃねぇ!てめぇは死ね!!」
「何言ってンのォ。劇場版公開前に主役が死ねますかァ?」
「ククク、丁度いいじゃねぇか。いい宣伝になるぜ!!」

裸のまま
朝っぱらから男が二人刀と木刀でやりあってんのも
まァ不思議な光景だよねェと
オレはベッドの上で弾みながら思う

「高杉ィ、ちょっとタンマ。」
「あぁ?」
「喉渇いた。いちごオレ飲ませていちごオレ。」
「勝手に飲みゃいいだろうが。」
「刀構えてるヒトの前で飲める気分じゃありませェん。」
「・・・ったく。阿呆らしい。」

チャキリと
高杉が抜いた刀を納めてシーツにくるまりアッチ向いて
オレはその横に潜り込んで
高級そうなホテルの銀の盆に載ったコップで
いちごオレ飲んで銀のスプンでヨーグルト食う

「うっめ。高杉のヨーグルト美味ェエ!白いの美味ェ!」
「連呼すんな馬鹿。」
「高杉はァ?喉渇いてンじゃねェの実はァ?」
「・・・いい。」
「イイって事は乾いてンでしょ?飲めばいーじゃん飲めばァ。」
「そんな甘ったるい匂いのモン飲めるか。」
「オレのだと思って飲めばい」

チャキリと
また刀に手をかけた高杉にハイごめんなさい
もう言いませェんと謝って
ほら飲んで下さい是非お願いしますゥとコップ差し出す

「飲み物には違いねーじゃん、飲めってェ。」
「・・・後でコーヒー奢れ。ブラックで。」
「ハイハイ。ラウンジで奢ってやるからァ。」
「・・・ったく。」

のろのろ起き上がった高杉は
オレからコップ受け取って
そっからまさかの一気飲み

「・・・・・・・・クク・・・・甘ぇ。」
「うっわ・・・・晋ちゃんてば男前ェエ!」
「晋ちゃんて誰だ。」
「オレん事も銀ちゃんて呼んでェ?」
「馬鹿が。呼ぶか。」
「ハイ。じゃあコッチ。ヨーグルト、ハイ。」

どーせ
小腹減ってんでしょ
食えばいーじゃん素直にィ?と
ヨーグルトのカップとスプン渡すと
実に嫌そうな顔して受け取んのね
高杉ってばホント素直じゃねェんだからァ
そんでもってモソモソ
やっとヨーグルトに手ぇつけた高杉に
オレはずっと言いたかった事言ってみる




「ソレさァ。オレの混ぜといたからァ。」



ブフッツ!!と高杉が口からヨーグルト吹いて
口の端から白く垂れンの
アァーいい眺め、とオレはニヤニヤ
ガン見する




「・・・・銀時、貴様!!」




てめぇが食え!と口ん中へ突っ込まれたスプン
オレは勿論そんなの嘘だから平気で食べて
ワザと口の端からヨーグルト少し垂らす




「ホラ見て高杉ィ?」



昨日の夜と逆だよねェ




その後は




ホテルの部屋ん中で大立ち回り




折角スポンサーのご厚意で取って貰ったセミスィートは




飛び散ったヨーグルトやら
飛び散ったいちごオレやら
他にも飛び散った何やらで




大損害




オレらは
君達ももういい大人なんだからおイタも大概にと
怒りに震える監督の前で
オレは鼻ほじりながら
高杉はそっぽ向いたまま
エンエンと



お説教