Angel Beats! ~君と~
ゆりが頭にハテナマークを浮かべる。
浮かべたいのはこっちだってのに……。
常に無茶苦茶言うが今回とて例外ではない。
「ごちゃごちゃ言わない、あたしだって場所が判らないんだから良いじゃない」
「ちょっと待ってください、僕の知ってる雪合戦ではありませんよ! 命懸けなんて無茶です!」
「今更ね竹山君…、遊びを全力でやらないでどうするのよ!!」
胸を張って言うその姿は独裁者他ならぬ者だ。
「死んだら元もこもありません! それとク」
「バカタレ! ガン○ムを何メートルあると思ってんだ!! ガン○ムの頭部から落下したら俺達死んじまうぞ!!」
「大丈夫よ藤巻君、ちゃんと下にマット敷いてあるから死にはしないけど死ぬ怖さを味わえるから」
「それって大丈夫…なのか……?」
直井が珍しく焦り、呟く。
普段なら『天使は落ちやしない』とかましイラつかせているが、今回ばかりはそんなギャグは出てこないらしい。
「大丈夫よ、チャーの家の不良共に手伝わせたから」
「な、尚更だよゆりっぺ……」
真面目風なあのケンでさえもジュースと間違え、お酒を買ってしまうおっちょこちょいアホだ。マットを敷いてあると見せかけて敷いていないかもしれない。
しかも羽方も居る。
落とし穴の中に大山を待ち構えて待機しているかもしれない。
「心配しないの大山君。チャーも付いてきた訳だし、大丈夫よ。じゃ、くじ引きすっぞー。結果に文句は付けんなよー」
ゆりの右手に割り箸が数本握られ、そこからメンバーは引いていく。
「紅はそっち、白はあっちに集まって。それと落とし穴の底まで落ちたら即失格ね。警告音が鳴るわよ」
と、ゆりが言い、紅側に付いた。次々に別れていった結果は、
『紅』
ゆり、岩沢、ひさ子、椎名、小枝、野田、高松、日向、松下、TK
『白』
結弦、初音、関根、入江、遊佐、大山、藤巻、直井、竹山、ユイ
「おい、」
と結弦が声を漏らした。
「圧倒的にこっちが不利だろぉがぁああああああああ!!」
作品名:Angel Beats! ~君と~ 作家名:幻影