ここはどこですか? 2
「宇宙人やない。そうやろ?」
にこにことウチの顔を覗き込む。
「えー?本当か?」
「爆坊、どっからどう見ても童顔女の子やで?」
童顔は余計よ!
この顔は、バカ姉とルリと全く同じなんだもん。
同じ髪型で同じ服着たら、誰が誰か分からないと思う。
っていうか。
「ここはどこーーーっ!!?」
「超東京だ」
「…ちょうとうきょー…?」
き、聞いたことない。
「ちなみに、2030年だ」
「に、にしぇんさんじゅー…」
あれ?たしか、2014年だったよね。今って。
この二人って、もしかして未来人!?
「お前は、何処から来たんだ?」
「しぞーか。2014年の」
「マジでぇっ!?」
「ほんまか!?」
二人がウチを凝視する。…そんなに珍しいもんなの?未来だもん、
タイムスリップとかタイムマシンとかでできるんじゃないの?
でも、どうしようかな。
未来に来たんなら、戻る方法を考えなくちゃね。
「そや、おれは『禍津ジン』。こっちの小さいのが爆坊や。
ジンって呼んでや」
「もう小さくねェよ。おれは『大盛爆』
爆って呼んでくれ」
「ウチは魔月理音。リネでいい」
「何や、せっかく未来に来たのに、楽しくなさそうやな」
だって、どうやって戻るか分かんないし…。
「これから、どうすればいいの…」
「おれん家にとまればええやろ。
しばらくは親いないんや。学校も夏休みやし。爆引き取ってるくらいや」
「えっ、でもせまくなるんじゃ…」
「いや、心配すんな。ジン兄ぃの家、あれだから」
あれ。と爆が指差す先には…だ、大豪邸が!!!
「ウソ…」
「ちょっとぼろいけど、我慢してや。
親が寺主でな。二人じゃさみしいんよ」
にこにこと微笑むジン…すごい。すごすぎる。
「本当にとまっていいの!?」
「ええで」
「食い物がなくならないならいいぞ」
やった!
(>_<)
(ルリside)
ここは、どこなのかな…。
気がついたら、布団に寝かされていた。
「気がついたみたいや~。闇狐」
7歳くらいの紫いろの髪をした男の子に顔を覗きこまれた。
「ほっ…よかった」
狐…のお面をかぶってるのかな…。いや、しっぽ生えてる…!
「自分、原っぱでぼろぼろになって倒れてたんやで?
もう大丈夫か?」
心配そうな顔した男の子。
なんだか、ちょっとかわいい…。
「あ、ありがとう」
「びっくりしたで~!でも、よくなってよかった!」
「ジン。もう少し寝かせておいてやれ」
「うん、せやな。
でもしゃべりたいで!」
無邪気に笑うジンくん。
「おれ、ジンっていうんや。あっちは闇狐」
「わ、私、魔月留理。ルリ」
あ、とまりじゃないよ…?
ジンくん、何歳だろう。
「あの。質問いい?」
「ええで」
「ジンくん、何歳?」
「6歳や♪
ルリは、12歳か?」
「私14歳なんだけど…」
「わっ!かんにんなー!」
ま、しょうがないか、童顔だからそう思われちゃうよね。
「えっと、もう一つ。
ここは何処?いつ?」
「超大阪。2023年や」
に、にせん…にじゅうさんねん。
「それがどうかしたのか?」
あ、闇狐さん。
「…私、タイムスリップしちゃったんだなーって思って」
「タイムスリップだと!?」
「なぁなぁ、闇狐ー。たいむすりっぷって何やー?」
「時間を超えたってことだ」
ジンくんはきょとんと首をかしげた後
「う~ん…よう分からへん」
と、頭をかいた。
作品名:ここはどこですか? 2 作家名:魔月琴理