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女子ミーティング

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「ねぇ、桜井さん、ちょっとだけミーティングしない?」

最近、遅番で仕事を終えるとちょいちょい呼び止められる。

「はい、もちろんよろこんで」

何のミーティングかといえば、ここ最近の彼女たちの娯楽であるふたり…イケメン乙女と、梅本さん、ふたりの恋路に他ならない。



『女子ミーティング』



「はい、じゃあ報告しますね。…ええと、先日ですけど、私が遅番の休憩で、ふたりが退勤するって時…」

「アンちゃん、お茶しよう」
「…また、唐突ですね」
「まぁまぁ。いいからさ…」

春先のこの時期に会う、ハーブティとケーキのお店を見つけたんだ。
嬉しそうに言う彼に対して、彼女は…

「ケーキ、ですか」

食べ物に心惹かれていた。

「そう、桜のシフォンケーキ。一味早く春を感じようよ」
「桜のシフォンケーキがあるんですか?」

あ、釣れた。
心の中でそう思いつつ、桜井は思う。

…彼女は、コンプレックスがあって、意外にそれが深くて、男性認定されるには、今の態度では難しいのではないか思ってしまう。

「そうそう、ね、春を感じながら一緒にお茶。悪くないでしょ?」
「じゃあ…」

いそいそと歩き出す杏子を送り出し、扉が閉じるのを見た桜井は、立花に声をかける。

「もっと、積極的に意識させる声かけでもいいんじゃないですか?」
「……うーん、もしかしたらそうなのかもしれないけど、アンちゃんにはこのペースが合っている気がするんだよね」

警戒されないって点では、確かにそうかもしれないけれど。

「って、否定しないんスね」
「否定してもどうせバレるでしょ。僕と彼女がカフェ行ったり、中華街行ったりしているのを聞いてるみたいだし」
「…まぁ、女子トークには必然のネタですし?」
「だよねぇ…」

うんうん、と頷きながら立花は言う。

「そもそも意識し始めたのが最近だし、この状態のがアンちゃんが誘いにのってくれやすいから、しばらくはこのままで」

でも…

言葉を切ってから、彼は急に乙女から男性の顔になり、言った。

「アンちゃん、可愛いからね。そう僕が思っていることを理解してもらわなくちゃいけないし、だんだん意識してもらえるように頑張るつもり」

じゃあ、お疲れ様、と一去っていくのを見て…


「盛大に惚気られている気がしていたんですよね」

ロスのお菓子の肴に頂く同僚の恋ばなは、甘酸っぱい。

「うーん、立花くんの気持ちは向いているけど、梅本さんの気持ちがわからないのよね」

でも…と、椿が前髪をうっとうしそうに指に除けながら言った。

「梅本さんが大福みたいだってクレームのあった翌々日から立花君が変わった気がするのよね。」

大切に大切に。
守るように。

「何で梅本さんもあんなに可愛いのに自信ないかな」

普段のままでも十分可愛らしいが、魔女メイクをしてきたときなど…

「そうねぇ、あの時は若干立花君見蕩れていたからね」
「え、マジですか?」
「マジもマジ。ぽかーんとしていたわよ」

「あーあ、早く梅本さん気づかないかな…」
「確かにね。ただ、彼女は男性恐怖症もちょっとだけあるみたいだから、立花くんくらいの距離のがいいのかもしれないわよ」
「…うーん…なるほど。乙女あなどりがたし。それにしても、気づいてもいいと思うんだけどな」

彼の、杏子への態度が、桜井への態度とは全く違っていること。
立花は、ほぼ同時期に入った同い年の桜井をお茶には誘わないし、明らかに態度が違う。
もちろん、仕事上での扱いはふたり変わらないけれど、プライベートに踏み込んでくることなど皆無だ。

「まぁまぁ、長期ウォッチング物件があるのは楽しいじゃない。それに、気づかないはずないと思うし?」
「ふふふ…確かに。そうしたらめーいっぱい梅本さんの恋の悩み聞いて、アドバイスしてあげるの」
「あー、いいわね。」

立花くんの味方ゼロだけどね。

「あったり前です。女子は恋に落ちたら誰でも味方になりたくなるもんですから」

早くそんな日が来ればいい、そう思いながらペットボトルのお茶飲み干した。




おわり


恋する女の子は、桜井さんも椿店長も含めて可愛いし綺麗だと思います。



作品名:女子ミーティング 作家名:葉月