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はろ☆どき
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novelistID. 27279
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空と海の間に-再録+α-【夏コミ86新刊】

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― 概要 ―


    空と海の間に:改訂版(初版20121229発行)
     ***http://2.novelist.jp/60379.html(サンプル)


    空と海の溶けた後に(書き下ろし)
     ***「空と海の間に」の直後の二人のお話


    空と海の手前のお話(WEB再録)
     ***http://2.novelist.jp/62479.html

    心の中の空と海(書き下ろし)
     ***「空と海の間に」の少し後の二人のお話



<以下、書下ろし部分抜粋>

【空と海が溶けた後に】

******

「エドワード」
 ロイが請うように名を呼んでくる。ソファーに埋もれるように凭れていたエドワードだったが、上体を起こしてロイの方に向いて座り直す。するとロイがエドワードの右手を取り、手の甲に恭しく口付けて言った。
「君が傍に居てくれて本当に感謝しているよ」
「な、なんだよ。改まって」
 不意打ちに、エドワードは思わずどもる。
「日々いつもそう思って過ごしている。けれど、たまには口で伝えなければね」
「そんなん……オレこそ感謝してるのに。馬鹿な子供を拾い上げて道を示してくれただけじゃなく、願いが叶った後まで一緒に居ることを許してくれて」
「私は私の方が君の傍にいることを許されているのだと思っているよ。私は自身を国家に捧げている。その事を後悔などしていない。だが、君には何処にでも行ける自由があったというのに……。私と共にあることを選んでくれてありがとう」
 そう言って、ロイが目線を合わせて来たのでエドワードは自然に目を閉じる。吐息が近づき唇がそっと触れた。

******

【心の中の空と海】

******

なあ、リザさん。オレほんとにこんな格好しなきゃダメ?」
「頭動かさないで」
「はい……」
振り向こうとするのをぴしゃりと制止されて、大人しく前を向きじっとしている。今日エドワードは、年頃にしては渋めだがシックで仕立ての良いスーツを着ていた。正確には鷹の目の女史に着るよう命じられた。そして今は彼女手ずから、髪を頭の高い位置で一つに纏められている。
「はい、いいわよ。こっち向いて。ああ、やっぱりすっきりしていて似合うわ。素敵よ」
仕事を果たしたらしいホークアイが、にっこり微笑んだのでエドワードもつられて笑った。しかし、その表情は引き攣り気味だった。そもそも軍属ではない自分が何故、ここにいる羽目になったんだっけ……?

******

「やあ、エドワード。やっぱりよく似合ってるじゃないか」
 そうこうしているうちに、ロイが支度を終えて奥の部屋からバルコニー側へとやってきた。彼は胸に数々の勲章を付けた軍正装に身を包み、脇に正帽を抱え腰にはサーベルを付けていた。前髪を上げたいつもと違う姿にちょっと目を奪われる。
「私の見立てですので間違いはございません」
「うむ、流石だな。君に任せてよかったよ」
「恐れ入ります」
 二人が自分のことを上から下まで検分するように見ながら語り合うもので、なんだか居心地が悪い。彼等から目逸らすようにそっぽを向いて所在無げに立ち尽くしていた。
「少し彼と話す時間はあるかな?」
「そうですね……五分程度でしたら」
「充分だ」

******