「雨」
俺と真ちゃんは今、とても困っていた。
なぜなら、 夕立がふっていて帰れそうにないからだ。
「真ちゃん…傘とか持ってない?」
こいつの事だ、人事は尽くしている とか言って持ってるだろw
「……無いのだよ」
「んえ?…」
つい、マヌケな声が出てしまった だってなんだって人事を尽くす真ちゃんが天気予報を見逃すはずが無い。
「ふーん」
「なんだそのムカつく顔は?…」
「だって、なんだって人事を尽くす真ちゃんが傘を持ってないなんてねぇ?…」
真ちゃんの眉が寄る。 そして 綺麗な緑の目だなぁとか思ってると真ちゃんが口を動かした
「おい、どうするのだよ?…」
「う~ん やまないしなぁ…雨宿りしよっ?なっ?」
俺と真ちゃんは、校舎裏の雨宿りできそうな場所を見つけた。
そこが一番 近かったからあまり濡れずに移動できた。
「雨ちょっと強いなー?」
「あぁ そうだな。」
真ちゃんは黙って雨を見つめている。本当に綺麗だなぁ…
真ちゃんは俺の視線に気付き 俺を見てきた
「なぜ俺をずっと見ているのだよ?…何かたくらんでいるのか?」
「えっ?…いや~真ちゃんの目綺麗だなぁとか考えてたー」
「バカめ…」
真ちゃんの声に体が少し震えた。低くく 甘い声だと思った。
「なぁ…真ちゃん」
「なんだ?…」
「隠し事…守れるか?」
「なんだ?…俺は人事は尽くす男だぞ それくらいできる。」
「内緒だよ?…」
俺は他のやつに聞かれることは無いのに真ちゃんの耳もとで囁く。
「?! 高…尾? それは…本当か?…」
「ごめん、引いた?…」
真ちゃんの顔は真っ赤だ それでも綺麗と思える。
「…高尾」
いきなり腕をつかまれ引かれる。近い… 俺はとっさに掴んだ真ちゃんのシャツに目を向ける雨に濡れて透けていた。
「高尾…こっちを向け」
向いた瞬間口を塞がれる
「んぅ……」
幸せだった…真ちゃんに抱きしめられキスをされ… でも真ちゃんは受け入れてくれたのか?…
俺は男に恋をした…真ちゃんに 好きって言った。
やっと口を解放してくれた 二人とも息が荒くなっている。
「真…ちゃん?…」
「隠し事ぐらいできると言っただろう?…」
え?それさ…OKってことでいいの?…
「俺っ 男だけど…いいの?…」
気づいたら俺の体は小さく震えている 寒いから?こわいから?
わからない…
「あぁ…好きならそれでいいのだよ 高尾は綺麗だ…」
ぎゅっと抱きしめられる…震えが押さえられる あたたかい。
「とても惹かれる なぜか…側にいたくなる。」
雨はまだやまない。
体を放され かわりに手を握られる。
「傘はささずにいっしょに帰るぞ…」
「えっ?うんっ!!」
真ちゃんは少し意地悪そうに笑った。
俺は知ってるよ?…カバンに折り畳み傘入ってるっしょ?w