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カゼ ~ひよ恋より~

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『今日風邪で学校休むね』
メールは嫌い・・・・・・そういったはずなのに。
そういっても仕方ないか・・・・・・

「今日、りっちゃんが風邪でお休みなんだって、コウ君知ってる?」
西山が俺に声をかける。
「ああ、さっきメール貰ったから・・・・・・」
「そうだよね。お付き合いしてるんだもんね」
目を輝かせて答える西山に、
「・・・・・・まあ、そうだけど」
少し照れくさくなる。

「気持ちだけが伝わればいいと思ってた・・・・・・けど、嫌なの!
コウと離れても大丈夫な関係になりたい」

泣きじゃくる律花に俺は、
律花の脆さ・・・・・・それは、ひび割れたガラスのように、ほうっておいたら砕けて
しまいそうな、そんな感じがした。

俺は、律花の鳴いている顔を見ると、なんだか守ってあげたい気持ちになる。
今まで感じたことがない。西山にも抱かなかった感情・・・・・・。
それが律花にはある。

「コウ君、お見舞いにいってたげてね!」
「・・・・・・あんたこそ、いくんじゃないの?」
「私も行きたいけど・・・・・・たぶんねりっちゃんは、私より、コウ君に来て欲しいと思うんだ。」
「・・・・・・。分かったよ」

しかし、
精神的には脆いところもあるけど、身体はかなり丈夫そうな律花が風邪とか、あんまり想像が
つかない。

「律花をなかせないようにしなきゃな!」
そう自分に言い聞かせた。

★★★
 ピンポーン。
 インタホーンを鳴らす。
「はい」
 鼻声で律花がパジャマ姿で玄関に出てきた。
「!ってコウ?」
「そうだけど・・・・・・」
「もしかして、お見舞いに来てくれたの?」
「・・・・・・。まぁ、そういうこと」
「嬉しい。あがって!」
 そういうと律花に手を引かれて、家の中に入る。
「! ちょっとまった。片付けるから」
「そんなこと・・・・・・すると、悪化するぞ! 無理すんな。」
「でも・・・・・・恥かしいんだもん」
「気にすることない・・・・・・。そんなことして、律花の具合が悪くなる方がずっと嫌だ」
素直にそういうと、
「・・・・・・。ほんと、散らかっているけど、どうぞ」
そういって、律花の部屋に入る。
部屋を見ても、特に散らかっている様子はない・・・・・・。
「熱は大丈夫なのか?」
そう尋ねると、
「うん。もう、殆ど平熱なの!ちょっとまだ喉が痛いけど・・・・・・」
「これ、やるよ」
そういって、律花に差し出したのは、
「ミント味の飴だね。ありがとう」

 たくさん涙姿見てきた。
 たんさんの笑い顔を見てきた。
 たくさんの怒った表情を見てきた。

今の律花の顔は、たぶんどれにも当てはまらない。
『ドキッ!』
胸の鼓動が高くなる。

「かわいい・・・・・・」
 そういって、あわてて口を手でふさぐ。

「えっ?」
律花は目をパチクリさせる。
「今、なんていったの?」

そう聞かれて突然急に恥かしくなって・・・・・・。
「べっ・・べつ・・・・・・」
そういうと、
「別に・・・は無しだよ!」
そういって、律花が俺の口の手をふさぐ。

「だから・・・・・・その、かわいいっていったんだよ・・・・・・」
こんなの、聞かれたくなかったのに・・・・・・

「あ、ありがと・・・・・・コウからそんな言葉聴いたの初めてだよ」
満面の笑顔をする律花に、
「そ、そういえば、お土産にこれ買ってきたんだ」
そういって、律花に差し出す。

「お花か・・・・・・ありがとう。大事にするね」
「・・・・・・ほんとは迷ったんだよ。食べ物の方がいいのかなぁって。」
「あはは。確かに、私は食べ物大好きだけど・・・・・・」
少し、律花は戸惑って、
「コウのくれるものだったら、なんでも嬉しいよ」
その表情を見て、思わず律花を抱きしめる。

「!」
「なぁ、この前の続きしていい?」
「は、はい?」
「疑問形なの?」
「う、ううん。そんなことない・・・・・・。お、お願いします・・・・・・」
「律花・・・・・・大好きだよ」
そういって、俺は律花の唇にそっと触れた。

「コウ、すごい胸の鼓動が早いけど大丈夫?」
「お、お前こそ大丈夫かよ?」
「私は・・・・・・。ひよりからきいたけど、本当に、すごいね、コレ」
「コレとかいうな!」

 わずかな時間だったはずだったなのに、すごく長く感じた。

「ただいま!」
玄関の方から、声がした。この声は・・・・・・
「姉ちゃん。大丈夫? って、コウさん!来てくれたんですね?」
「青葉、いつもノックしてって、いってるでしょ?」
「ごめん。でも、心配だったから・・・・・・でも、大丈夫そうだね」

「俺、帰るから、また、学校でな」
そういって、俺は押し切るようにして帰った。

★★★
 そして、翌日。
「げほ、げほ・・・・・・」
体温計で熱を測ると、39度。
律花の風邪がうつってしまったらしい・・・・・・。

うう。
律花にメールを打つ。

『昨日のアレで熱でた。今日は学校休む』

★★★
「おはよ。ひより」
「風邪、よくなったんだね」
「おかげさまで。で、コウは?」
「まだ来てないけど・・・・・・」
「そうか」
携帯がなる。コレは、メールだ。
その画面を見て、私は顔を真っ赤にした。

『!』
「りっちゃん、どうしたの? 顔真っ赤だよ?」
「な、なんでもない・・・・・・」

コウに移しちゃんだ・・・・・・
悪いことしたな・・・・・・
私も、お見舞いにいかなきゃ。

(Fin)

久々です。(というか2年ぶりです)
ここのところ、小説を書いていなかったので、ハチャメチャですみません。
こんな作品ですが、読了いただきありがとうござました。
作品名:カゼ ~ひよ恋より~ 作家名:kureha