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東方夢想録

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「あぁ~、またやっちまったよ」

「お前またやらかしたのかよ、あきれたやつだ...んで今度は 何処どこに?」

「んっとね、『東"の"方』にね」

「ほぉ~、でもただの人間じゃあ生きてられるかな?」

「いろいろ授けてやったから大丈夫だろ、ただ、記憶を吹っ飛ばしちゃった テヘペロ」

―――――――――――――――――――――――――

目が覚めた、見知らぬ場所...
自分が誰なのかもわからない
とりあえず周りを見渡す、大きな建物があった
その建物の前にはお賽銭箱がある

「·····」

倒れていた体を起こし、お賽銭箱に近づく
着ていたパーカーのポケットに手を入れる
これを待っていたかの様にポケットの中にはお金が入っていた、小銭だ
その小銭をお賽銭箱に向けてピンッと、音速で飛んだりやしない、どこぞのビリビリ中学生じゃあないんだ

カチンッ...コロコロ

あくまでも小銭にはお賽銭箱に入ろうとしなかった

?「今お賽銭を入れようとしたのはあなたかしら?」

「····」

?「見かけない顔ね、何処から来たの?」

「····」

?「なによ、無視?」

「わからない」

?「あんた、バカにしてるの?」

「...何処から来たのかも、自分が誰なのかもわからない、 此処ここが何処なのかだってわからない」

?「....ハァ、私は 博霊霊夢はくれいれいむ、 紫ゆかりが連れてきたのか....」

「オレは自分の名前を知らない」

その時だった、何かが飛んできてオレの頭に命中した

「..っ」

痛みを和らげる為か頭を押さえてしゃがみこむ
そして痛みに耐え立ち上がる

「 幾斗いくとだ... 」

バカ見たいだが、今ので名前を思い出したらしい
もしこの名前が違くても、名前無いに越したことはない

霊夢「今ので思い出したの!?」

「らしい」

霊夢「名字は?」

「知らん」

霊夢「まぁ、良いわ、あなたはこれからどうするの?」

「わからない」

霊夢「ん~、特に何もないけど...私の家に上がれば?」

「迷惑はかけられない」

霊夢「良いわよ別に、どうせ自分の家とか無いんでしょ? 泊まらせてあげる」

どうする、このまま霊夢のお世話になるか
それとも、この場を立ち去るか


作品名:東方夢想録 作家名:妹紅