For the future !
第四日目。最終日。
男子バタフライ100メートルの予選と決勝が行われた。
凛は予選でも決勝でも二位。派遣標準記録を突破するタイムであったので、男子バタフライ100メートルにおいても代表権を手にした。
試合が終わり、選手としてではなく観客として会場に来ていた遙と、凛は合流する。
遙は凛に告げる。
「おめでとう」
いつものように感情のこもらない声だったけれど。
「ああ」
凛は軽く笑った。
本音は、すごく嬉しい、だ。
「じゃあ、帰るか」
「ああ」
同じ部屋へ。
帰り道。
「明日は派遣選手発表だな」
「ああ」
「記者会見、おまえも出るように言われてんだろ?」
「……めんどくさい」
「心の底からそう思ってても顔には出すなよ。それで、ちょっとは笑えよ」
「顔に出さないのはできるが、笑うのは無理だ」
「努力しろよ」
「無理なものは無理だ」
作品名:For the future ! 作家名:hujio