小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

【創作】「背中合わせで抱きしめて」

INDEX|1ページ/18ページ|

次のページ
 
「背中合わせで抱きしめて」


昔々、あるところに、心のねじ曲がった領主がいました。
悪い領主のフリートは、民に貧しい暮らしをさせ、自分は贅沢三昧です。
彼は考えます。永遠に贅沢な暮らしがしたいと。その為に、彼は不老不死の力を求めました。
そして彼は、ついに邪悪なドラゴンのユークを目覚めさせてしまいます。
ユークに魂を売ったフリートは、自分もドラゴンに姿を変えました。ドラゴンは、一晩で子供を1000人食べてしまいます。悪のドラゴンを退治しようと王様が差し向けた軍隊も、その爪と牙の前に散り散りにされてしまいました。
人々は嘆き、神に救いを求めます。その時、神は一人の


「アレン、ウィズ、まだ起きてるのか?」

廊下の光が薄暗い子供部屋に射し込み、もぞもぞと動く布団を照らした。父親は、放り出された本に目をやってから、咎めるように声を掛ける。

「ママにおやすみを言ったはずだろう?」
「寝てたよ」
「寝てたんだよ」

声を揃える双子に、父は肩を竦めて本を拾い上げた。ベッド脇のテーブルに本を置くと、明かりを落とす。

「さあ、天使達。パパにおやすみのキスは?」

かがみ込むと、両頬に柔らかな感触。

「おやすみなさい」
「おやすみなさい」
「おやすみなさい、良い夢を」

双子に布団を掛け直してやると、父親は静かに寝室を出た。



アレンとウィズ。二人は共に笑い共に泣き、同じ時間を過ごす。二人はいつも一緒で、周囲もそれを当然のことと受け止めてきた。

『アレンは、お兄ちゃんだから』

ゆっくりと、静かに、自分でも気づかない澱が、心に溜まっていく・・・・・・。