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敵中横断二九六千光年2 ゴルディオンの結び目

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しかし、古代は何かが違う。ひょっとしたらそうなってくれるかもしれないものを感じるけれど、何かが違う。足りていない。いや、〈エイス・G・ゲーム〉のときに、あいつの中で光り輝くものを見たような気もするが……。

仮にあいつが青い炎を胸に持っていたとしても、やはりたった一日で〈ヤマト〉の帆柱に灯ることなどできないか――加藤は思った。そしてもう、あいつに対しておれができることもないだろう。

だから、後は古代自身だ。もうあいつに、あと数時間のうちに、どうにかエルモになってくれと願う以外に何もできない。加藤は〈ヤマト〉艦橋がある方向を見上げてみた。帆船ならばメインマストが立っているであろう辺り。

あと数時間。もう寝るだけの時間しかない。出撃に備えておれもそろそろ休息を取らねばならない……わかっているが、しかし加藤は、そんな気になかなかなれそうになかった。