キミの笑顔。 ~黒バス~
「いーづき!」
「ぅわぁ!」
ぶっちゃけ、その好きな人って言うのは今俺にのしかかってきた、
日向なんだけど・・・。
「部室まで一緒に行こうぜー。」
満面の笑みを日向は向けてくる。
「ん。いいよ。」
ったく。人の気も知らないで呑気なもんだ。
日向のことはキャプテンとしても尊敬してるし、なによりかっこいいんだ。
試合でシュートを打つときのあの勝気な笑みが大好き。
でも、そんな日向には好きな奴が居る。
別に直接言われたりした訳ではないけど、分かってしまうんだ。
目とかで、今何考えてるか、とか。ずっと一緒にいるから。
他愛もない会話をしていると、部室になんてすぐに着いてしまう。
日向がドアを開けると、部室にはすでに木吉が居た。
「お!日向、伊月!おはよーさん!」
「ったく、何がおはよーさんだ!ダァホ!」
あ、ほら今日向すごく愛しそうな目してる。分かってしまう。嫌になる程。
「いきなり、アホはないだろー。」
朗らかな笑顔で笑う木吉。木吉はいつも笑っていて、頼もしくて日向が好きに
なる気持ちも分かってしまう。
正直、木吉と日向の絡みを見てんのはかなりキツイ。
でも、俺は笑う。 キミの隣に居たいから。
「ハッ!太陽サンサンおはよーさん!ktkr!」
「キテねぇよ!ダァホ!」
日向にツッコまれる。
「日向ひどいぞー。」
木吉がフォローなのかよく分からない言葉を投げかける。
「うっせ。大体お前がなぁ・・・」
いつものやり取り。当たり前な日常を壊したくない。
だから、どれだけ悲しくても、どれだけ切なくても、俺は笑う。
キミの笑顔が見たいから。
大好きなキミの笑顔を一番近くで見ていたいから。
作品名:キミの笑顔。 ~黒バス~ 作家名:みつくろ