マニュアル赤ずきん(後編)
「あれ、オオカミ何してんの?」
赤ずきんの家に様子を見に来た猟師、縛られているオオカミを目の当たりにして唖然。
「ぷはー!ありがとうフランス兄ちゃん。俺お腹へって死にそうだよー」
「お前、赤ずきんとおばあさんを襲って、俺に獣で撃たれる役だろ。せっかくピザ持ってきたのにさ」
「え!ピッツァ!嬉しい。フランス兄ちゃんのピザ好きだ」
フランシスの持ってきたピザにかぶりつくフェリ。
「で、ちょっとお兄さんの話も聞いてよ。何やってんのあの赤ずきんとおばあさんは」
激しい攻防の後休戦。お互いに睨み合っている。
「うーん。俺が赤ずきん怖いって言ったらさ、おばあさんが代わりに戦ってくれるって」
おいしそうにピザを噛み締めながら幸せそうに言う。
「なんだそれ。赤ずきんVSおばあさん、あの二人なら間に入るより終わるの待ったほうがいいね」
激しい攻防の末最後に決めたみぞおちの一発にギルベルトが崩れ落ちた。
「げほっ、強くなったなヴェストはよ」
「兄さんこそ、基礎体力がもっとあれば貴方にはかなわない」
倒れたギルに片手を差し出すルート。
「暗に、運動不足かよ。まぁ最近訓練サボってたのはまずかったな。」
「おーい、お2人さん。もう日が暮れるよ。そのへんでおつかれさま俺から差し入れ」
フランシスが勝負のついたルートとギルベルトに声をかける。
「何なのこれ、まあいいけどさ。来たらオオカミ縛られてるしさ、二人はドンパチしてるしさ、お兄さん出番ないじゃん」
「出番あるよ〜美味しいピザ作ってきてくれたもん」
幸せそうにピザを食べて満足するフェリシアーノ。本来の目的など忘れている。
「すまない、つい熱くなって」
ずきんを脱ぎ、タオルで汗をぬぐう。
「ケセセセ、久しぶりにいい汗かいたぜ」
いい汗をかいて丁度空腹。
ルートの持ってきたお土産とフランシスの料理でそのまま宴会をすることになった。
「イチゴを摘んできたんだ、俺はクーヘンを焼こう」
「そう、お兄さんはちょっと料理頑張っちゃおうかな」
フランシスの美味しい食事と、美味しいビール、ヴルストで赤ずきんのおばあさんの家はにぎやかになりました。
こうしてオオカミは赤ずきんとおばあさんと猟師で楽しく幸せに暮らしましたとさ。
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グリム童話・ドイツ民話赤ずきん。初期の作者はルートヴィヒ・ティーク。
ルートヴィヒ繋がりで萌えます。
枢軸+プー+フランスでお送りいたしました。
「なんでおばあさんのお口はそんなに大きいの」
「お前を食べるためさ」
のやりとりが書けずじまいでした。
くすん。主人公のピンチって赤ずきんの話の一番の山場だと思うんですよね。
お母さんの約束を守らずに寄り道をして酷い目に合う。これってこの絵本の教訓です。
フェリとルートだとオオカミが確実に赤ずきんに負けます、ルートが赤ずきんな限り無敵のような気もしますが。
当初考えていたストーリとかなりずれてしまったけど自分的には満足。(@@)
ムキムキな赤ずきんには自分で書いててニヨニヨしました。なんだそれ。
ド・イツ民謡なのでゲルマン一族でやってみても面白かったかなと思います。
オー/ストリア、ハン/ガリー、ス/イス、リヒ/テンシュタイン。リヒテンが赤ずきんならスイ/スが猟師ずっと付いてまわりそうです。
「お兄さま、大丈夫です。私一人でおばあさんの元へ行けます」
「リヒテン、お主だけでは心配である。我輩が付いていってやる」
ハン/ガリー赤ずきんでギルがオオカミならフライパンでぼこぼこにされそうです。
作品名:マニュアル赤ずきん(後編) 作家名:千秋けん