Rin
【登場人物】
ナレーター(ナ)
小森 亜美(亜):主人公。大学生の女の子。少し弱気。アパート「弥生荘」で一人暮らしをしている。
おばさん(お):弥生荘の管理人。
和真(和):亜美の彼氏。浮気をしている。
Rin(R):?
Rin「人は誰しもが本音と建前を持っています。
言いたいのに言えなかった、言わなかった、なんてことはありませんか?
日本人ならばなおさらでしょう。日本人とはそういうものですからね。」
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お「もう!またゴミ散らかして!!!!小森さん!?」
亜「なんですか?」
お「なんですかじゃないわよ!こんなにゴミ散らかして!
いつもちゃんとしてって言ってるでしょ?」
亜「はぁ……」
(本当はおばさんの猫が散らかしてるんだけど……)
お「とにかく、今度からお願いね!」
亜「はーい...」
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亜「もう!なんで私が言われるのよ!散らかしてるのはアンタの猫だってーの!」
R「そう思うのなら本当のことを言えばいいのに。」
亜「誰!?」
R「もう一人のあなた、とでもいいますか。」
亜「もう一人の私って……?」
R「あなたが、他人に見せることができない部分、言うことができないこと。
そういう''闇''の部分なのです」
亜「よくわからないけど」
R「いずれわかりますよ。……ほら来た」
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和「亜美ー!」
亜「和真!どーしたの?」
和「あのさあ……金貸してくんねーか?」
亜「また?この間も……」
R「どうして?バイトしてるでしょ?」
和「頼むよ!どうしても必要なんだ!すぐ返すからさ」
亜「...わかった」
R「ホントは他の女と遊ぶためのお金なんでしょ?」
和「サンキュー」
亜「うん。早く返してよね!」
R「返してもらえたことなんてない。今度だって返さないつもりでしょ?」
和「じゃあな」
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亜「ちょっと!あなたなんなの?私が心で思ってることばっかり」
R「だから言ったでしょ。闇の部分だって
安心して。私の声はあなたにしか聞こえない」
亜「それでは私がどうにかなってしまう」
R「どうして?なんならわたしが代弁してあげてもいいけど」
亜「やめて!嫌われてしまう」
R「何よ、あんな男。金が目当てのクズじゃないの」
亜「でも、優しくしてくれる」
R「そんなの最低男の常套手段じゃない」
亜「...っ」
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数日後
チャイム音
R「またあのクズ男が来たわよ」
亜「クズ男って和真のこと?やめてよ」
R「今日こそはっきり言ってやるわ」
亜「やめて!あなたが出たら今までの関係が台無しよ!!」
和「亜美!また金が必要になったんだよー。頼む!!貸してくれ!!!!」
R「アンタに貸す金なんてないわよ!帰って!
アンタが浮気してるのも知ってるんだからね!!」
和「は?なんだよ!金貸してくんねーなら、用はねーよ。おめえみたいなブス!
お望み通り別れてやるさ。じゃあな!」
亜「あっ……」
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亜「うぅ……。うわーーーん。なんであんなこと言ったのよ!
振られちゃったじゃない!好きだったのにぃ」
R「よかったじゃない。別れられて。お金は自分のために使わなきゃ」
亜「よくない!」
R「はあ……………だめね。あなたそんなんじゃ人生損よ。自分に正直にならなきゃ」
亜「自分に…正直に……」
R「そう!もっと強気に生きなさい!」
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お「ちょっと、小森さん!ゴミ散らかさないでっていったでしょ!?」
亜「それ、お宅の猫が散らかしてるんです」
お「へ?」
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亜「ふふっ。ちょっとスッキリしたかも。よーし、人生楽しむぞっ!」
END