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愛あるイジメ?

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 「あむろぉぉ〜!!」

絶叫と言っていいだろう声が、ダイニングルームから響いてきた。
冬の寒さが少しだけ緩んだ快適な朝を破壊するその声を発したのが、見目良く頭脳明晰と大多数の人間から褒め称えられた人間だとは、誰も想像できないだろう。
俺は面倒くさいと思うと同時に、重く痛む腰を庇いつつ、裸足で寝室を後にした。

「なんな・・・どわっ!!」
質問しようとした俺をド突き倒す勢いで、ガタイの良い偉丈夫が突進してきた。当然、常であっても俺がそいつを支えられるわけはなく、昨夜の様な事を致した後では尚更だ。諸共に後ろへと尻もちをついた。

「いったぁ〜!・・・なんなんだよ?! いったい!!」
一瞬止まった息を再開し、俺は抱きついている金色の大型犬まがいの男を怒鳴った。(とはいえ、迫力にも声量にも欠けるが)

「なっ、なっ!・・・」
「はぁ??」
「あれ! あれは、なっ、何、何だっ?!」
「あれ??」
「あれだよ! あれっ!!」
奴が指さす方向にあるのは

緑色の苔??
しかも、二段になって・・・る??

「!! ああ、あれなぁ〜」
「きみ! 何を悠長に!!」
「あんた、あれが何だと思ったのさ」
「あんなものは昨日まで無かっただろう!! 何処から侵入したのだ! 生き物か? 毒物なのか?! ・・・そうか!! 連邦が放った兵器・・・ブッ!」

ありえない程にパニックになった奴を落ち着かせるために、俺は背中を握りこぶしで強打した。

「痛いではないか! あむりょ」
「落ち着けよ。それで、よく見てみろって」
「見たくなどない!! あんな不気味な配色の物体? 生物? いずれにせよ、視界に入れるのもおぞましい!」
「貰った時にあんなに喜んでたのにか?」
「・・・貰って、喜んだ?・・・私がかね?」
「そうだ・・・ってか、どいてくれないかな。話すのもあんたの重さで苦しくて・・・」
「ああ! すまない」

少しは落ち着きを取り戻したのか、奴は俺の上から身体をどかしたが、そのまま四つん這いで俺の背後へと回り込む。
そして、背後から俺を抱きしめながら会話を再開した。

「あの物体を、私が喜んで貰ったと君は言ったが?」
「そうだよ。ミライさんが年明け前に持ってきてくれただろう?」
「ノア夫人が??・・・あれは白くて丸い『モチ』なる物だったのでは?」
「そうだよ」
「だが! あれは、緑に黄色が斑になった、不気味な代物ではないかね」

しがみついて力説しながらも決して餅の方を見ようとしない奴に、俺は笑いが込み上げてきた。だが、ここで笑えばこいつのへそが曲がるだろうから、努めて笑わない様にした。

「それは、カビが生えたからだよ」
「・・・か・・・び・・・?」
「そう。カビ。年明けから珍しく雨が多かったから、餅にカビが生えたんだよ」
「・・・カビ・・・」
「でも、あれだって食えるんだぜ?」
「く・・・う??・・・いま、君、あれを、食うと、そう言ったのかね?! カビの塊を、食う、と?」
「食えるよ」
「食べれるわけなかろう!! カビているのだぞ! 危険ではないか!!」
「あのさぁ〜。あんたが赤ワインに合うんだとか言って食べるブルーチーズも、カビが生えてるだろうが」
「あれは味を良くする為に、あえて、選択して、発生させている物であって、気づかぬうちに勝手に発生した物ではない!」
「同じだよ。まぁ、多種類のカビが生えたから、綺麗にそぎ落としてからじゃないと、カビ臭くて食べれないけどな」
「私は食べないぞ!!」
「え? 食べないのか?」
「あんな気色の悪い物に成り代わった食材など、怪しすぎて喉を通りそうにない!」
「ふぅ〜〜ん」
「・・・・・・なんなんだね?」
「あんた。絶対に、食べないんだな?!」
「・・・たべ・・・な、い」
「そっか! 了解!! ンじゃ、俺が今から料理しても、絶対に! 食べるなよ?! いいな」
「・・・・・・了解、した・・・」

俺の放つ言葉と気配から、何となく自分に不利になりそうな状況を察知しつつも、先程目にした色調を思い出すと、とてもじゃないが食べるとは言えないのだろう。奴は消え入りそうな声でそう告げた。


 それから二時間後
キッチンからは甘く、豆を煮る香りが漂いだし



 「君は私を愛していないんだな」

ダイニングテーブルで器に入れた温かな餅入りぜんざいを、嬉々として食するアムロの姿をリビングから恨めしそうに眺める、元某組織の最高権力者だった者の口から子供じみた恨み節が零れたのは、更に一時間してからだった。
2015.01.18
作品名:愛あるイジメ? 作家名:まお