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オダワラアキ
オダワラアキ
novelistID. 53970
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馬村家のヒトコマ

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すずめは堪らずに馬村の腕にすがりつくように掴まると、それをどう捉えたのか、すずめを抱き締める腕に力がこもる。
「う…っん…はっ…」
呼吸もままならなくなりすずめから口を離すと、少し怒ったようにまた唇を塞がれる。
気が付いた時にはすずめのシャツのボタンは外され、馬村のキスは首筋に移動していて、何とも言えないゾクゾクするような感覚に襲われた。自分の声じゃないような、出したくもない声が、息が弾んで閉じることの出来ない口から漏れる。
「あっ…やぁ…ん、まむ…らキスだけって…んっ」
「キスだけ…だろ?」
馬村がすずめのブラジャーに手をかけた時、ガチャっと1階から鍵の開ける音が聞こえた。耳もいいはずのすずめには、別の理由から全く届いていない。
「残念…大地、帰ってきた」
「ふぇ?」
血色のいい顔が、さらに赤く染まり、瞳も潤んで今にも涙が零れ落ちそうだ。いくら子どもとは言え、弟にもこんな顔をしたすずめを見せたくはない。
馬村が、すずめのボタンを全てはめ直すと、ベッドから起き上がらせた。
「あり…がと」
ぼうっとした頭では何が起きたのか考えることも出来ない。
「リビング行くか」
「あ、うん」
すずめが来ていることを知っているはずなのに、ノックもなしに部屋に飛び込んでくるはずの大地が来ないため、すずめと共に下に降りると、そこにいたのは大地ではなかった。
「親父…早くね?」
「あ、こんにちは!お帰りなさい。お邪魔してます!」
馬村は大地がだとばかり思っていたため、何とか誤魔化せるだろうと思ったが、父親となると話は別だ。
すずめの髪の毛は乱れているし、首筋には馬村が付けたキスマークがある。何よりいつもとはだいぶ違う火照ったような顔を見て、何か思うところがないはずはない。
「ただいま。与謝野さん!久しぶりだね!」
「あ、お昼ご飯食べました?ピザ買ってきたんですよ〜みんなで食べようと思って!」
「ありがとう…私は昼は済ませたから2人で食べなさい。その様子だとまだ食べてないだろう?」
チラリとすずめの首筋と、若干顔色の悪くなった息子を見ながら言った。
「お腹空いた〜馬村早く食べよう!」
先ほどの色気は完全になくなり、食い気に変わると、すずめは勝手にピザを準備しだした。
「あ、おじさん!そういえば報告してなかったですけど、私馬村と付き合ってます!…ってもう1年も経つんだから知ってますよね?」
すずめは、あははと笑いながら、爆弾を投下する。
「そうだね。ほら、私の言ってたこと当たるでしょう?」
「えっ?あ〜お寿司やさんで!?ほんとだ!」
この様子だと未然に済んだみたいだけど、高校生じゃな…まだ早いな、そんなことを考えながら、父親として案外こういう悩みも楽しいものだと気が付いた。
(大輝には、可哀想なことしたけどね)


Fin
作品名:馬村家のヒトコマ 作家名:オダワラアキ