なりすましゲンガー~黒バス的解釈~
どうせどこに行っても二進も三進も誰かの光に紛れたままなんだ。
いつもの登校する電車の中。
「おばあさん、この席どうぞ。」
僕はイスに座ったままです。
「あら、どうも助かりました。」
いい事なんて見て見ぬふり。あぁ。
学校のいつもの席。目の前の君の席に立ち額に青筋を立てている先生。
「最近の若者たちは!」
なんてよく聞きますね。何を隠そう後ろで寝ようとしている僕こそが、
その最たる例なのです。
あぁ、怖い。怖い。他人の心の奥底。
居ないいない。誰の目にも入らない。それが僕の役目だから。
僕は影。いつもあの頃のように後ろ指指されて笑われて。
そんな行ったり来たりの人生なんて日の光を浴びないから、
何度も影踏みするんだ。
寂しがりやの僕の口癖。
「あの人みたいになんてなれませんよ。」
ほらまた、光との距離が開いて追いつけないんだ。
輝き過ぎた光たちに置いていかれてしまった僕。
独りぼっち。誰も居なくて、孤独な夜を何度も明かした。
部屋の隅っこ、ポツンとある咲くあの頃の思い出に、勇気をもらった。
彼らに勝って、あの日の笑顔を取り戻したい。
独りになった光の心の中覗いて、忘れ物を見つけました。
それをまだ助けることができない僕は、
喜怒哀楽の感情が出せない。不完全な存在です。
明日、また太陽昇って。陰と陽の境界できたら、やっぱり逃げ続けるだけ卑屈な人生なんでしょう。
光になりすます影。そうだこうやって、君の光にずっと隠れて。
いつか照らされて、そのまま消えてしまえば・・・
それでいいな。
作品名:なりすましゲンガー~黒バス的解釈~ 作家名:みつくろ