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アリスパンツ会議 introduction

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◆introduction◆

クローバーの塔内――
これから会合が開かれるからか、入口付近の人気はなく、靴音が二つ響くのみ。
「ねえ、私も参加した方が・・・」
「いや、重要な議題は前回であらかた済んでいる。
会合期間中の安全な時に君は羽を伸ばしてくれ」
「グレイがそう言ってくれるのは嬉しいんだけど――」
これまで各国の催し物にきちんと参加していたアリスは、今回の会合も当然参加する気でいた。
だから服装もシックなものに変えていたのに。
自室から会場へ向かうところをグレイに呼び止められ、やんわりと門の方へ向かわされていた。
「心配しなくても、ナイトメア様のことは俺に任せてくれれば・・・」
「なっ、ナイトメアの心配なんてしてないわ!
あんな人、血を吐こうが倒れようがもう知らないんだから」
グレイから苦笑が漏れる。
数時間帯前にアリスと喧嘩をしたと上司から泣きつかれた。
詳しく聞いてみると、その病弱さを見兼ねたアリスが、病院に行ったらどうかと提案したことに端を発するらしかった。
「そろそろ時間帯が変わる頃だな」
「あ、それじゃあ、私は街に出るけど、本当にいいの?」
「ああ、そうしてくれ。
会合は疲れるからな、終わったときに君が元気でいてくれた方が後の仕事がはかどる」
「分かったわ、それじゃあ少し歩いてくる」
「ゆっくりしてくるといい」
アリスは腕に持っていたコートを着込み、塔を出た。
雪の積もる地面に小さな足跡が続いていく。
グレイは彼女が見えなくなるのを待って踵を返した。

アリスの見たことのないような厳しい顔だった。

注意:この話はギャグです
「アリスパンツ会議」本編へ続く