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「人間達磨って知ってる？」
「あぁ？知らねぇよ」
「中国の見世物小屋にいるんだよ、手足を切り落とされたアジア人。性器や舌は切られたり切られなかったりだけどね？」
「煩え酒が不味くなる、ただでさえ泥酔してる手前の相手なんざしてやってるんだ倍で不味くなる」
「きちんと消毒したり面倒を見てあげると生き永らえるんだよ」
「人の話を聞け、クソッこのタイミングでフランクフルトなんか頼みやがったの手前だろ」
「はーい俺でーす、美味しいよねここのフランクフルト」
「タイミングを考えやがれこの野郎それ食ったらいい加減帰れ」
「話戻るけど、案外都市伝説じゃないんだよ人間達磨って」
「戻らなくていい、いや新羅は戻って来い押し付けるだけ押し付けて帰りやがって」
「実際史実にもあるしね、権力を持った人とかがね綺麗な人を達磨にしちゃうんだ、はいシズちゃんハイボール」
「チッ……あと一、二杯呑んだら帰るぞ」
「帰れたらね」
「あ？」



俺には特に収集癖ってものはない。宝石、時計、はたまた車、種類をいっぱい集めたって実際に使うものはそのうちの数種類だ。実に生産的ではない行為だと思う。自分の気に入った一種だけ手元に置くっていう事ができないのかなあ？
ぽとぽとぽとぽと指のすきまからこぼして、手のひらに残る大事なものを残すってことができないのかなあ？俺はそのひとつを大事にするよ。全身全霊をもって大事に大事に大事にするよ。
好きだよシズちゃんシズちゃんシズちゃん、ねえこっち向いてよシズちゃんシズちゃんシズちゃん、