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フレンチトースト すずめside

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大輝が変だ。

結婚してから毎日のように、

好きだ、かわいい、愛してる、

とビックリするような
甘い言葉を吐く。

以前から、ここぞというときには
ハッキリと好きという気持ちを
伝えてくれていたけれど、

いつも照れながらというか、
言わなきゃ伝わんないから言う、
という感じだった。


それが今は恥ずかしげもなく
毎日言う。

ただでさえイケメンなのに、

そんな顔で甘い言葉を吐かれたら、

ハワワワワ、と、

さぶいぼが出来そうな気持ちになる。


大輝ってあんなキャラだった?


なんとかして元に戻せないかな?


骨が抜かれたみたいになって
身がもたないよ。


仕事中も思い出して
ボーッとしてしまい、

先輩に「はい、そこ、新婚ボケやめる!」

と注意されてしまう。


ゆゆかちゃんに
メールで相談すると、

「バカらしい。最大級のノロケね。」

と一言で返されてしまった。


だっ誰かぁぁぁ。

ピロロロロッ


仕事の休憩中電話がなった。お母さんだ。

「あ、すずめ?
ちょっと急遽東京に行く用事できて
今晩泊めてほしんだけど。」


「え、あ、いいよー。」


「アンタの好きな牡蠣持ってくから!」


ジュルルッ

「りょうかーい。」


牡蠣、牡蠣、牡蠣ぃぃぃぃ!!


牡蠣で頭が上書きされ、
大輝にお母さんが泊まることを
伝えるのをすっかり忘れていた。


牡蠣鍋の用意をして、
「大輝まだ帰って来ないから
先にお風呂入っていいよ。」

母に言うと、

「大輝くんより先に入るわけには…」

と遠慮する。

「大輝、いつもシャワーだから。」

というと、じゃあお言葉に甘えて。

母はお風呂場に向かった。



あ、そういえば、大輝にまだ
母が泊まること言ってなかったや。

と思ったが、

もう帰ってくる時間だし、
玄関に靴あるからわかるだろう、
と思っていた。



が、大輝が「ただいま」も言わず帰ってきた。

仕事の電話をしながら入ってきた。


電話を切り、「あれ、今日牡蠣鍋?」

と聞いてきた。


「あ、うん、今日お母さんが…」

と言おうとしたら、

「なんか今日嬉しそうじゃね?
いいことあった?」

と聞かれたので

「うん、牡蠣が…」

と言おうと思うと

「頬がピンク色でかわいい。」

と顔に手をやり、頬にキスをされた。


「チョッ待って!!大輝!!今はっ!!」


「いーじゃん。したいんだから。」

とそういって照れる様子もなく
席に座ろうとして、
ふと大輝は別の人影に気づく。


「!!!おっお義母さ…!!!」


「まぁ~~意外ねぇ。
大輝くんがそんな甘々なんて。
台所に残ってたフレンチトーストみたい。」


「~~~~~~!!!!!」


すずめは久々に真っ赤になって
うずくまる大輝を見た。


「オマッ言えよ!!先に!!」


「言おうとしたら大輝が…」

すずめが言い訳しようとすると、母が


「あらあら、いいのよ。新婚なんだもの。
仲良くて安心したわ。」

と平然として言った。



「~~~~~~!」


その後の大輝は何を喋っても
上の空で、かなりショックが大きかったらしい。


次の朝、母は早々に帰っていった。

「今朝は好きだとかかわいいとか
言ってくれないんだね。」

意地悪をして大輝に言うと、

「二度と言うか!!」

と新聞を読みながら
耳まで真っ赤にして照れている。


ちょっと寂しいような、
普通に戻ってホッとしたような。


でも赤くなる大輝が可愛くて、

今度はすずめが「大輝?可愛い。好きだよ。」

と言ってみる。

「は?」

と言いながら照れるので、
もっともっと言いたくなる。


「なんか大輝の気持ちがわかったよ。」

すずめが言うと、

「俺もオマエの気持ちがわかったわ。」


と言って笑いあった。


そして大輝はキョロキョロと見回している。

「もうお母さんいないって。」

と言うと、

「安心できねぇ。」

と、すずめの腕を引っ張って
寝室に連れていき、
キスをした。

「ん。やっぱりかわいい。好きだ。」

と耳元で囁くも、

顔を赤くして照れながら言うのがよくて。

「フフ。大輝もね。」

「かわいいとか言うな。」

ギュッと抱き合って、
「ハッ時間、時間」と慌てて用意する。

そしてやっぱり甘々な気持ちのまま
二人とも出勤したのだった。