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ひるなかの流星 高校2年冬

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〈帰り道〉
進路希望調査か…
「馬村はもう進路決めたの?」
「うん」
「え?」
馬村決めたんだ、私だけかなまだ何も決まってないの
「俺はなんか研究したいと思ってる
お前はもう決めたのかよ!」
研究か、すごいな馬村は
そういえば、化学のテスト1番だったな馬村

「え?私はまだ決めてな…ゴニョゴニョ」
「まあそんなもんだろ、適当に進学して決めても遅くないんじゃねーの?」
そうだよね、でも私の成績だと行ける大学あるのかな
またゆゆかちゃんに勉強教えてもらおうかな
「あんま1人で悩みすぎんなよ、じゃあ俺こっちだから」
もうここか、今日あんまり話さなかったな
馬村に悪いことしたな

〈翌〉
「ねえ!みんなはもう進路決めたの?」
カメ「すずめちゃん朝から元気だねー
進路?進路はファッション系かなー
専門学校行こうと思ってるよ」
つる「カメ好きだもんね、買い物
私はメイクとか美容系かな」
みんな決めてるんだ
「ゆゆかちゃんは?」
「私はもう決まってるわよ、薬剤師になって稼いでやるんだから!」
そっかー私だけか
「まあそんなに焦らないでじっくり考えてもいいんじゃない?
そんなことよりも、もうすぐ学年末テストだけどね」
「学年末テスト」
完全に忘れてた…


〈修了式〉
テスト散々だったな…
進路もなぁ…

「はあ…」
ゴン!
「お前さっきからため息ばっかでうざい」
「あ、ごめん…」
「ほらよ、お前食べんの好きだし1回行ってみればいいんじゃね?」
あ、調理の専門学校のパンフレットだ
馬村心配して…
「ありがとう、馬村」
でも、料理ってなー、私苦手だな


〈プルルルルプルルルル〉
「もしもしすずめ?お母さんね、お父さんと1回帰国することになったのよ」
「ああ、そうなんだ」
「どうしたの?元気ないわね、何かあったの?」
「うん、実は…」

「そう、進路ね〜 すずめ食べ物好きなんだから、そういうのを仕事にしたら?
例えばそうねえ、お店を取材するとか」

〈面談〉
春休み中になんで面談なんか…
でも、馬村も一緒ならまあいいか…

「与謝野は出版社に就職にするのか」
「はい、食べ物屋さんの特集とかしてみたいな、って思って…」
「そうか、卒業生に出版社に就職したのがいるからそいつに話聞いとくよ」
「はい、ありがとうございます」
良かった、終わったー
お母さん、どうして出版社だったんだろ?

「面談終わったかよ」
あ、馬村待っててくれたんだ
「うん」
「出版社って言った?」
「うん、卒業生に話聞いといてくれるって」
「そうか、良かったな」
「うん」
「何考えてんだよ」
「え…」
「お前のことはわかるって言ってんだろ」
「お母さんがなんで出版社って言ったのかなって思って…」
「聞いてみりゃーいいじゃねーか、日本にいんだろ?」

〈プルルルルプルルルル〉
「もしもし、お母ちゃん?」
「ああ、すずめ」
「面談終わったよ」
「そう、どうかした?」
「お母ちゃんなんで出版社って言ったの?」
「ああ、お母ちゃん出版社で働いてたの、だからすずめもどうかと思って」
「そうだったんだ!」
「出版社入れると良いわね」
「うん、お母ちゃんありがとう」