大地の初恋 回想編
「お待たせしました~。」
当日アイツは
ガッサガッサと
でっかい買物袋を
いくつも抱えて
大輝と一緒に現れた。
なんだよ、今まで
大輝と一緒かよ。
大輝ずるいぞ。
俺はそう思った。
あの時の女は
すずめというらしい。
変な名前!
「おい、すずめ!
お前何食べる?」
「こら、大地。
与謝野さんだって
言ってるだろ?」
「だって覚えにくいんだもんよ。」
「ああ、いいですよ、すずめで。
私も呼び捨てするし。ねっ大地?」
ノリいいじゃんか。
俺は気分がよかった。
ところが大輝が席を外した時に
大輝に彼女ができればな
という話を親父がし始め、
「大輝には与謝野さんみたいな人が
合ってると思うんだけど。」
と爆弾発言をした。
ブーッとすずめが噴いた。
きったね!
ていうか、俺も噴いた。
親父何言っちゃってくれてんだよ、と。
「馬村は私に興味ないですから。」
すずめがそういうのを聞いて 、
なんだそっか、と安心したのを
覚えている。