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さのすけのん
さのすけのん
novelistID. 55457
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いつまでも これからも

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全寮制の高校に通う、高校1年生の鋭利と、二歳年上の高校3年生の珀
二人とも整った容姿でそれぞれが周りからの憧れの的でもあった


そんな二人には誰にも言えない共通の秘密がある
それは、  珀と鋭利が男同士の恋人である  
ということ

全寮制なのをいいことに、二人はほぼ毎日鋭利の部屋でその日の出来事などを話したりして過ごしていた

珀も鋭利もそれなりにモテる
珀は神秘的であるが故に遠巻きのファンが多いが、明るく社交的な鋭利の周りには積極的な女子に加えて時々男子からも熱っぽい視線が送られていることもしばしあるのだった



ある週の金曜日、学校を終えて鋭利が部屋に戻るとさきに学校の終わっている珀が既に鋭利の部屋でナニーを片手にくつろいでいでいたところへ

「ただいま~」と、いつもの様に珀に声をかけると

不機嫌そうに おかえり と返事をしただけでそのまま読書を続けた
どうも今日は様子がおかしい

とはいっても心当たりがまるで無い鋭利は仕方なく一人ソファーに寝転びテレビを見ていたが、次第に眠気が襲ってきた


不意にテレビのスイッチが消えたかと思うとさっきまで本を読んでいたはずの珀がソファーで寝転んでいる鋭利の上に馬乗りになってきた


「珀?いきなりな・・・」
 
突然のことに動揺して抗議の声をあげようとした鋭利の口を、珀がの口が塞いできたので鋭利は言葉を切らざるをえない

何を考えているか分からない珀だが、明らかにいつもと違う荒々しさを感じて不安を覚えた鋭利は精一杯の力で押しのけてソファーから立ち上がったが、すかさず珀が鋭利を抱き寄せて右腕で鋭利の頭を固定したまま再び口をふさがれてしまう

「ちょっ 珀、一体何なんだよ!」

抵抗も試みたが身長差約15cm あらためて自分のコンプレックスを感じる
いくらもがいても鋭利の力では到底敵わず、次第に息が苦しくなって小さく口をあけた隙に珀が舌を口内に進入させてきた

頭をひねろうにも右腕でしっかり固定されているために逃れることができない


「むふぅ はぁっ・・・」

だんだんとキスの気持ちよさに、腰がぐずぐすになって力が入らなくなりしゃがみ込みそうになったところを、珀が頭を押さえていない方の左腕で抱き寄せて支えながらさらに深いキスを落としてくる


「んはっ 珀 くるし・・・」

さすがに酸欠状態になりそうなことを感じて鋭利は珀の胸を叩くと、ようやく珀は鋭利から離れてくれた


お互い無言の中、ようやく息を整えた鋭利は

「いきなりなんなんだよ・・・なんかお前今日変だぞ」と珀を問い詰めると

しばらくは俯いて黙っていた珀だったがふいに口をひらいて
「鋭利、今日・・・告白されてた・・・」と言った



「・・・はぁ?」



予想もしていなかった返事に素っ頓狂な声が出てしまった

たしかに今日は何人かから告白されたが、そんなこと日常茶飯事で今まで珀が気にしたことなんてなかったはず…

「どうしたんだよいきなり。お前今までそんなこと気にしたことなかったろ?」
熱でもあるのかと本気で心配し始めた時

「男子に告白されてただろ」と思わぬ不意打ちを食らい
「なっ お、お前見てたのか・・・!」と反射的に肯定の返事をしてしまった

「俺はお前のことはいつも見ている。恋人だからな」

さりげないストーカー発言に内心苦笑しながらも、不機嫌な原因が単なる嫉妬とわかった鋭利は少しホッとした。どうやら熱があるわけではなさそうだ。

「なに?妬いてんの?」

ちょっと意地悪がしてみたくなった鋭利が珀にそう言うと

「そうだ、妬いている。女ならまだしも男は駄目だ。鋭利は小柄だから襲われる心配も否定出来ない」

少しは動揺してくれてもいいのに何の恥じらいもなく 妬いている なんていうものだから逆にこっちが恥ずかしくなる。

「鋭利はもっと警戒しないとダメだ。ただでさえ周りの奴らが狙っているのにこれでは俺は安心して生活が送れない」
しかめっ面で珀が言った

普段は飄々としているくせに、自分のことで嫉妬心丸出しの珀を見てたまらなく自分の恋人が愛しくなって

「珀」
「なんだ?」

顔を上げた珀の襟元を引っ張って軽いキスを落とすと珀の頬がほのかにピンクに染まるのが見えた

「珀、可愛い」
「鋭利・・・ずるい」

そういってそのまま鋭利をソファーに押し倒してキスを返してから
珀が一言


「・・・気をつけないと今度は俺が襲うからな」