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Enjoying×Beating×Shoping!

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今日、俺の身に起こったことを正直に話します。


“Enjoying×Beating×Shoping!”


俺の名前は香港。
nowでyoungなboyである。
好きな人もいる。といっても、俺の片思いみたいなものだし、彼女は俺のことをただの弟とかそんなものとしか見てないだろう。別に好きになってほしいわけじゃないし、俺は今の関係が気に入ってるし。ま、彼女は自覚なしで色々な行動を起こすから俺の心が持たないわけで。俺も一応健全な男の子ってこと。

そんな彼女が今日は俺を買い物に誘ってきた。
俺がゲームしてんの見えないのかな・・・。

「だからね!春服が欲しいのー!!」

「・・・そんなに行きたいんなら一人で行けばいいじゃん?」

「一人でお買いものって寂しいじゃん・・・。」

彼女と買い物に行くのはいつものことだった。
どうして好きなのに一緒に行ってあげないかって?
ゲームの途中だし、彼女の買い物に一緒に行くと荷物持ちになることがわかりきっていたからだ。

「ぶっちゃけめんどくさい・・・」

俺がめんどくさそうに答えると彼女はくしゃと顔を歪ませた。
彼女はずるい。そんな顔をされて俺が断れるわけがない。
これが惚れた弱みってやつなのかもしれない。
彼女は俺の気持ちなんか知ってやしないけど。

「わかったよ・・・行けばいいんだろ?そのかわり、俺に駅前のファミレスで巨大パフェおごること。」

「ほんとに!一緒に行ってくれるのー?わーい!香だいすき!!」

これだ。
だから嫌なんだ。いい加減気付いてくれないかな・・・。
そういう言葉にいちいち反応してしまう俺も俺なんだけど。

「じゃ、さっそく行こっか!」

「OK。」



俺たちはファッション店が立ち並ぶstreetにやってきた。
彼女の話によると、暖かくなってきたから春物の服が欲しいようだ。
で、自分で選ぶのが大変だから俺の意見を聞きたいということらしい。
俺もそんなに服のセンスについてはよくわからないけど男の意見が聞きたいと言ってるんだから協力してあげることにした。
彼女は何を着ても似合うと思ってしまうのは、惚れた欲目というやつだろうか。

「どうかな?香?このワンピース。」

「・・・スカート短すぎじゃね?」

「そうかな〜普通だと思うけど・・・。」

彼女の試着した桜色のワンピースは彼女の太ももをあらわにしていた。
目のやりばがないというのはこういうことだ。
きっと先生が見たらカンカンに怒るんだろうな。
ま、彼女が気に入ってるなら別にいいんだけど。いい眺めだし。

「老師とか日本さんとかに怒られちゃうかな・・・?」

「・・・いや、いいながm・・・そうかもね。もう少しおとなしい感じのほうがいいんじゃね?」

周りにいる男の視線が彼女の太ももに向けられていることに気付いた。
俺にとっていい眺めということは他の男にとってもいい眺めということか。
今は俺と一緒だからいいけど一人であんなかっこされて出かけられたら大変だ。

「じゃあ香はどんな服がいいと思う?」

「んー・・・湾は色が白いから、パステル系の服が映えると思う。春だし・・・黄色とか、黄緑とか?その桜色の服はもう少し色が濃いほうがいいかな。スカート穿きたいなら上着はGジャンとか・・・スカートは白とかにして・・・寒かったらレギンスとかトレンカとか穿いて・・・。」

アドバイスをする俺を、彼女はポカンとしながら見ていた。
何か不満なことでもあったのだろうか。

「すごい香!!どこでそんなお洒落について学んだの!?」

「え・・・?眉毛に一通り教えてもらったから・・・すごいの?」

「男の子がそれだけ知ってたらすごいよ!香の選んでくれた服すっごいかわいいし!」

「そりゃ、どーも。」

実際俺の選んだ服を着た彼女はとてもかわいかった。
眉毛の英才教育もたまには役に立つということか。

「じゃ、これにするね!」

「外で待っててもいい?」

「うん!すぐ行くから!」

外の空気が吸いたかった俺は一足先に店を出て外で待つことにした。
喉もかわいたし、近くにある自販機でお茶でも買おうと思い、その場を少し外した。


「や、やめてください!」

「えー?いいじゃん、俺たちとカラオケ行こうよ〜!」

「えと・・・連れがいるので!」

「どこにもいないじゃーん!じゃ、行こっかー!」

店の前に戻ってくると湾がナンパされていた。
思わず全速力で走った。

見知らぬ男が湾の腕を掴む。
湾はぎゅっと目をつぶった。

「あのー、その子俺のなんで、さわんないでもらえますか。」

「香・・・!」

「なんだ彼氏持ちかよ・・・ちっ!」

見知らぬ男たちは俺の顔を見るとすごすごと帰っていった。
全く、国をナンパするなんてどんな国民だ・・・。
湾は俺の腕に抱かれて真っ赤になっていた。あすなろ抱きが珍しかったのだろうか。

「香遅いよ!てかどこいってたの!?」

「ごめん・・・自販機に・・・」

「危うく知らない人とカラオケ行っちゃうとこだったんだよ!?」

「そこはどうでもいいから。つーか湾強いんだし、あいつら倒してもよかったんじゃない?」

「怖くてそんなことできなかったし・・・国民の人に傷つけちゃ駄目でしょ・・・」

「まあ無事でよかった・・・湾かわいいんだから気をつけなよ。」

「っ・・・!!!・・・あ、ありがと・・・。(俺のとか・・・恥ずかしいよ!)」

「湾の買い物も終わったし、約束のパフェ食べに行く?」

「う、うん!」

駅前のパフェはとにかくでかいことで有名だった。
大きくてうまくて安い。安いといってもその大きさを考えれば、ということだけど。
席に着くといきなり湾が青ざめた顔をしていた。

「どうしたの・・・?」

「さっき服買ったらお金なくなっちゃった・・・!どうしよう・・・おごる約束だったのに・・・!」

俺は、はあと溜息をついた。
でもこういうところも彼女のかわいいところだ。恋は盲目。

「・・・わかった。おごるのは今度でいいから。今回は俺がおごるから、湾の好きなの頼みなよ。」

「いいの・・・?私今日、香に迷惑しかかけてないんだけど・・・。」

「・・・今日は俺も楽しかったし。家でゲームしてるよりも。」

いろんな湾の顔も見れたし。
湾の太ももも見れたし。

「・・・えへへ。香はやさしいなあ!」

「それが紳士ってやつらしいよ?よくわかんないけど。」


なにより、彼女の笑顔が見れたから。
なんて安い男なんだろう・・・。
でも、彼女の笑顔には勝てないんだよな・・・。
それが惚れた弱みってやつなら、とことん付き合ってやろうと思ったわけ。
家に帰って今日のことはデートだったのかと思ったらなんだか恥ずかしくなった、香港でした。





作品名:Enjoying×Beating×Shoping! 作家名:ずーか