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オダワラアキ
オダワラアキ
novelistID. 53970
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放課後の教室で

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「ったく…仕方ねぇな…じゃあ、おまえからキスしてくれたら許す」
「え…」
「誰かさんは恥ずかしいって、名前も呼んでくれないし?」
馬村はわざと拗ねたように、横目でチラリとすずめを見ると、頬を赤くして俯いていた。

「………」

「……き」

「ん?」

「だ…いき」
絞り出すように言うと、すずめから頬にキスをした。
「卒業したら誰も知ってるやついないし、恥ずかしくないだろ?だから、これからは呼ぶよな?すずめ?」

「…はい、頑張ります…」

馬村がかがんで軽く唇を触れ合わせた。
「最初で最後の、教室でのキスだね」
そう言ってすずめからも、馬村の首に腕を回して口付けた。

「で、誰にリボンあげたわけ?」
「だから、名前わかんないってば〜」
2人は笑いながら、どちらからともなく手を繋ぎ帰路に着いた。

卒業しても、ずっと変わらずあなたといられますように。
すずめはそう願いを込めて、手を強く握る。


fin
作品名:放課後の教室で 作家名:オダワラアキ