朝でもいつでも
朝からかっ飛ばしたような成瀬の告白に、
カァァァッと顔を赤くする由希。
「朝から何言ってんの。」
平常心を保とうと必死になりながら、
スタスタと学校に向けて歩く。
「朝だっていつだってそう思ったら言うし。」
「由希センパイも言ってよ。」
「言わないし!周りに聞かれてたらどうすんの!」
「どうもしねぇ。周りなんて関係ねぇ。」
そう言って後ろから由希をハグし、
頭にちゅ、と成瀬はキスをした。
バババッと慌てて頭を押さえて離れる由希。
「禁止!公道や人前で2M以上近づくの禁止ーっ!」
由希がそう騒ぐと、
「二人の時はピッタリくっついていいんだね。」
キランと目を輝かせて、
成瀬は由希の腕をとって公園の茂みに連れていく。
「ちょ…成瀬、学校はっ?」
「んっ」
すぐに由希は成瀬に唇をふさがれた。
「んーーーーっ!」
バンバンと由希は成瀬の背中を叩くが、
デカイ成瀬はビクともしない。
長い長いキスの後、ようやく離され、
「なっ何すんのよーーーっ!」
と真っ赤な顔で息をハァハァさせながら
由希は成瀬を睨みつけた。
「だって由希センパイが二人になりたいって
誘ってくるから。」
「さっきの言葉が
どうしたらそういう
解釈になるのよ?!」
「遅刻するよ?由希センパイ。」
とスタスタいつも通りの顔で
歩き始めた成瀬。
「~~なっなんなの?!」
と全身真っ赤になりながら、
由希はこのまま居たかった、
と寂しく思う自分の頬をパーン!と叩いた。
その音にビクッとして
「由希センパイ?」
とビビる成瀬は、
「人前じゃなきゃ
続きしてもいいんだよね?」
と笑う。
「しなくていい!」
そう腹を立てながら成瀬を追い越し、
学校に急いだ由希だった。