140文字短文詰め合わせ(NL色々/APH)
#21〜#22 西白←ロマ/墺洪
溶けて溢して消して閉まって(西白←ロマ)
優しく眇められる新緑の瞳に愛しさを込めて舌先に乗せられる彼女の名。ベル、ベル、さっきロヴィがなぁ。決して自分には向けられないその瞳の優しさと声音の色に、つきりと胸が痛んで、ぎゅっと胸元を握りしめた。荒れた指先が触れるのは柔らかな曲線。あぁ、いったい自分はどちらに嫉妬しているのか、
―――置いて行くなよチクショウ。
Sep 20th(140文字)
いい夫婦の日(墺洪)
ふわり、湯気が眼鏡のレンズを曇らせる。窓枠が切り取った四角い空には曇天が立ち込めて濃い冬の気配がした。もうすっかり冬ですね。えぇ本当に。風が落ち葉を巻き上げ、窓枠をかたかたと鳴らす。カップに添えられた指先が少しだけ白い。寒いですか?問えば彼女は曖昧に微笑んで、窓の外に目をやった。
―――そろそろ暖炉に火を入れましょうか。
Nov 22th(140文字)
作品名:140文字短文詰め合わせ(NL色々/APH) 作家名:ふちさき