主人公惣受け物語~アニポケ・カントー編~
先程、ダイノーズがズルッグを一瞬たりとも見失うことなく凝視していたのは、ロックオンで狙いを定めていたからである。これによってダイノーズは狙いを外すことなく、ズルッグにでんじほうを命中させることが出来たのである。
ズルッグ「ズ、ズルゥ!?」
ズルッグはまだ戦える状態ではあるが、身体が痺れて思うように行動できない。
ジロウ「ダイノーズ、ストーンエッジ!」
ダイノーズ「ノォォォォォズ!」
一気にたたみかけるかのごとく、ダイノーズがストーンエッジでさらなる攻撃。
ズルッグ「ズゥゥゥ! ズルゥ!」
思うように動けずにいるズルッグは、浮き上がる岩の餌食となる。
ズルッグ「ズ、ズルゥ…。」
成す術なく攻撃を受け続けるものの、辛うじてこれを切り抜けた。ズルッグの持つ元々の能力に加えてかなりの根性の持ち主と言えよう。
サトシ(ズルッグはまひ状態で思うようにダイノーズに攻撃を仕掛けられない。一体、どうすれば…。)
だが、ズルッグ不利の状況は未だ変わらない。サトシは、なんとかこの窮地打開の策を模索していた。
ズルッグ「ズ、ズルゥ!」
ズルッグはそんなサトシの思惑とは裏腹に、痺れる身体に鞭打ちながらも立ち上がる。
サトシ(ズルッグ…。分かった、お前のその根性に賭けてみるぜ!)
ズルッグの気迫を感じ取ったサトシは、次の攻撃で勝負に出ることを決める。
ジロウ「ダイノーズ、ロックオン!」
ダイノーズ「ノォズ!」
だが、最初に動いたのはダイノーズ。ロックオンでズルッグに照準を合わせる。
ジロウ「行け! でんじほう!」
ダイノーズ「ダァァァイノォォォォォズ!」
でんじほうは、真っ直ぐズルッグの方へ向かっていく。ロックオン状態のため、会費は不可能である。
ズルッグ「ズゥゥゥルゥ…。」
ただ、ズルッグは自らに向かってくるでんじほうに臆することなく、両手で光り輝く球体を作っていた。時間の経過とともに、その球体は徐々に膨張していく。
サトシ「! 今だ! ズルッグ、きあいだま!」
程良い大きさになったところで、サトシはズルッグにきあいだまを指示。ズルッグの作っていた球体はきあいだまだったのだ。
ズルッグ「ズゥゥゥルゥゥゥゥゥ!」
ズルッグはきあいだまをでんじほうに向けて思いっきり投げ飛ばした。きあいだまは、真っ直ぐでんじほうに向かっていく。そしてその2つはフィールド中央でぶつかり合い、爆発した。
ズルッグ「ルゥゥゥゥゥッグ!」
ダイノーズ「ノォォォオ!?」
爆発の煙を切り裂くかのごとく、ズルッグがすばやくダイノーズに接近。そして、渾身のとびひざげりを喰らわせる。
サトシ「ズルッグ、もう一度きあいだまでトドメだ!」
ズルッグ「ルゥ! ズゥゥゥゥゥルゥゥゥゥゥ!」
至近距離に位置するダイノーズをきあいだまで攻撃。
ダイノーズ「ノオォォォォォズ!」
ダイノーズはきあいだまの勢いに押され、そのまま地面へと叩きつけられた。
ダイノーズ「ノォズ…。」
デント「ダイノーズ、戦闘不能! ズルッグの勝ち! よって勝者、マサラタウンのサトシ!」
念願ともいえるこの接戦は、経験で勝るサトシが勝利を納めた。サトシとジロウ、双方にとってこのバトルは得たものが大きいものとなった。
後書き
サトシ、ジロウ、このバトルを通じてこれからの成長に期待!
作品名:主人公惣受け物語~アニポケ・カントー編~ 作家名:天の河