主人公惣受け物語~アニポケ・カントー編~
ヒカリ「…ねぇ、サトシ。もし良かったらだけど…。」
ヒロインズ+ベル「「「「「わたし(あたし)達と一緒に寝ない?」」」」」
サトシ「えっ!?」
ヒロインズ+ベル「「「「「!?」」」」」
一斉にサトシにあらぬ提案をする。ほぼ同時の提案だったので、サトシはおろか提案をした本人たちも驚きを見せる。
ヒカリ「ま、まさか、ハルカ達も同じこと考えていたの!?」
ハルカ「そういうヒカリだって…。」
カスミ「う、嘘でしょ!?」
ここで、しばしの沈黙が流れる。
アイリス「みんな無理しなくていいのよ。サトシとはあたしが寝るから。」
ベル「アイリスちゃんも無理しないでね。あたしがサトシ君と寝てあげるから。」
カスミ「ベルもね。無理しなくていいのよ。」
ハルカ「いや、わたしがサトシと寝るわ。」
ヒカリ「みんな待って、サトシと寝るのはあたしよ。」
サトシ本人の意思を無視して、誰がサトシと寝るかで口論を始めてしまった。ただ、夜中ということもあって声のトーンは落としてはいるが、睨み合う彼女たちの間には火花のようなものも見える。
サトシ「あの〜、カスミやハルカ達の誰かが2人一緒に寝るってのは…。」
ヒロインズ+ベル「「「「「ないわ!」」」」」
サトシ「!?」
この状況では最善ともいえるサトシの提案も、想い人を巡って争う彼女たちには無意味だった。
タケシ「…いつかはこうなるとは思ってはいたが。」
デント「こんなに早く、ある意味デンジャラスな展開になるとはね…。」
ピカチュウ「ピカァ…。」
ポッチャマ「ポチャア…。」
タケシとデントは、やはりかというような顔をしながら苦笑を浮かべていた。ちなみに、ピカチュウとポッチャマは隙を見て、ある意味戦場から避難してきた。
ジョーイ「あのコ達は、いつもあんな感じなのかしら?」
デント「えぇ、まぁ僕たちにとってはいつも見てきた光景なのでもう慣れましたけどね。」
ジョーイ「確かに、サトシ君は優しくてカッコいいから気持ちは分からなくはないけれど…。」
ジョーイも、サトシを巡る争奪戦を目の当たりにして唖然としている。
タケシ(ただ、本人に全くと言っていいほど自覚がないのがなぁ(汗))
この争奪戦、いろんな形で遺恨を残しそうである。結局、今回の争奪戦はじゃんけんで決着をつけることとなり、その結果ヒカリが見事に勝利を納めた。今回は半ば穏便に済んだのだが、次以降が前途多難な展開になるのは必至である。
ヒカリ「サトシ。ほら、早く。」
サトシ「なぁ、やっぱり一緒に寝なきゃダメか?」
ヒカリ「今更、何言ってるの? ひょっとして、女の子と寝るのは初めてだった?」
サトシ「まぁ、そんな機会がないからなぁ。」
ヒカリ「そっかぁ、それじゃああたしがサトシの初めての相手ね。」
サトシ「えっ、あっ、うん。」
最後のヒカリの発言が捉えようによっては意味深になるが、とりあえずサトシとヒカリがスーッと寝床に入る。
ヒカリ「サトシ、それじゃあおやすみ。ピカチュウとポッチャマもおやすみ。」
サトシ「あぁ、おやすみ。ピカチュウとポッチャマもな。」
ピカチュウ「ピィカピカァ。」
ポッチャマ「ポチャポォチャ。」
サトシとヒカリはピカチュウとポッチャマに声を掛けながら、そのまま眠りについた。一方、今回の争奪戦に敗れた面々はというと、
カスミ(今回は負けたけど、次こそは…。)
ハルカ(ヒカリ、今回は譲ってあげるけど次からは負けないから!)
アイリス(あたしも、ヒカリに負けないようにサトシの隣にいられるよう頑張らなきゃ!)
ベル(ヒカリちゃん、うかうかしていられるのも今のうちよ。ふふふ。)
ヒカリを羨ましくおもいつつも、今後の争奪戦に向けてポジティブな思考で闘志を燃やすのだった。こうして、波乱に満ちた夜は更けていくのだった…
後書き
本家ではなかったであろう、サトシの初めての女の子との添い寝相手は、ヒカリとなりました(笑)←前書きでの釣り乙www
作品名:主人公惣受け物語~アニポケ・カントー編~ 作家名:天の河