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主人公惣受け物語~アニポケ・ジョウト編~

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第30.5話『遠距離恋愛ならぬ遠距離恋慕』

前書き

今回はサトシ達から離れて、ある二人の恋する少女視点で話を進めます。


誰がでてくるのかは、旧版の展開を思い出してみてください。






 ここはジョウト地方ヒワダタウン南の海に浮かぶ島、アルトマーレ。‘水の都’としてその名を知られており、以前サトシが仲間達とともに訪れたところでもある。ここには、以前この地に危機が訪れた時にサトシ達と一緒に戦ったある一人の少女と一体の伝説のポケモンが住んでいる。


???「今日は絶好のスケッチ日和ね。なんだか、描き心地もいつもよりも良いように感じるわ」


 少女の名前はカノン。アルトマーレ育ちの絵を描くのが好きな少女である。今日も外でスケッチをしており、一見普通の少女である。実はこのカノン、アルトマーレを守る為に重要な人物なのである。どうしてカノンがそのような使命を背負っているのかは、劇場版第四作の方をご覧いただけると良い。


カノン「ん? ちょっと、ラティアス。一体どうしたのよ」


 スケッチの最中だったカノンのところへ、一体の伝説のポケモンがやって来る。ラティアスだ。彼女もまた、カノンやその祖父のボンゴレとともにアルトマーレを守護する存在として重要な役割を担っている。


ツンツン


カノン「私の絵がどうしたの…って、あらやだ。私ったら、いつの間にかサトシ君とピカチュウを書いちゃっていたわ///」


 ラティアスは遠目からカノンのスケッチを眺めていたのだが、カノンの描いているのが自らの想い人とそのパートナーの絵だったので、思わずカノンに近づいてきたのだ。カノンは思わずサトシとピカチュウを書いていたことで恥ずかしくなったのか、顔をマトマの実のように真っ赤にさせる。


カノン(はぁ、やっぱり私サトシ君のこと好きなんだなぁ。あの時は別れ間際に思い切ってキスしちゃったけれど、今になるともの凄く恥ずかしいわ///)


 カノンもまた、サトシに好意を抱く一人である。スケッチ中に思わずサトシの顔が浮かび、それが行動に表われたようだ。ちなみに、隣にいるラティアスもカノンと同じようにサトシの優しき人柄に大いに触れており、サトシに対して好意を抱いている。


ラティアス「クゥ〜」


カノン「えっ!? サトシ君に会いたいの?」


 ラティアスは今までの思いが我慢できなくなったのか、サトシに会いたい思いを身体いっぱいに表現する。


カノン「う〜ん、実をいえば私もサトシ君に会いたいけれど…。この街のことが心配だわ…」


ラティアス「クゥ…」


 カノンももう一度サトシに会いたいと思っていた。だが、カノンとラティアスには‘こころのしずく’ならびにこのアルトマーレを護らなければならない使命がある。思いこそは強くても行動には移せないもどかしさを感じていた。


???「じゃったら、思い切っていってみるのはどうかな?」


カノン「!? おじいちゃん!?」


 カノンとラティアスのもとへ、カノンの祖父・ボンゴレがやって来る。カノンに近づくや否や、カノンにサトシのところへ出向いてみてはと提案する。


ボンゴレ「ラティアスは正直で良いのぅ。カノンもラティアスみたいにサトシ君のところへ行きたいんじゃろう?」


カノン「うん。そうだけど…」


ボンゴレ「この街と‘こころのしずく’のことは任せておくがよい。老いぼれのわしにだってこの二つを護ることぐらい容易い事じゃ」


 サトシに会うことを躊躇しているカノンを、心から後押しするボンゴレ。カノンは少し考えた後に出した答えは、


カノン「ありがとう、おじいちゃん。私、サトシ君のところへ行ってくる。どこで会えるか分からないけれど、ラティアスと一緒に行ってみるわ」


ボンゴレ「行っておいで。良い気分転換にもなるしの」


ラティアス「クゥ〜!」


 ラティアスと一緒にサトシを訪ねて旅に出ることにした。カノンの答えを聞いて、ラティアスは大いに喜ぶ。こうして、アルトマーレから一人の少女と一匹の伝説のポケモンが一人の少年を訪ねる旅に出たのだった。










 一方、神と崇められるポケモン達が棲むと言われるオレンジ諸島のアーシア島でも、カノンと同じようにサトシを想う少女がいた。その少女は特徴的な民族衣装を着用しており、今は島の岬にて貝殻で作った笛を吹き鳴らしている。


???(はぁ〜、サトシは今どうしているのかしら? やっぱりまだ、カスミと一緒にいるのかな…)


 彼女の名前はフルーラ。彼女が住むアーシア島も一度世界じゅうを揺るがす危機に瀕したことがあり、その際はサトシ達の力を借りて何とか事を納めることが出来た。あの一件以来、フルーラは巫女としてこの島を守り続ける役割を担っている。


フルーラ「サトシに会いたいなぁ。でも私には巫女としてここを守らなければならない使命があるし…」


 彼女の話から分かるが、フルーラもまたサトシに恋心を抱く人物の一人である。想い人のサトシに会いたい思いが募りに募っているが、巫女としての使命が障壁となっていって、なかなか実行に移せない。


???「そんなに会いたいんだったら、会いに行けばいいんじゃないかしら?」


フルーラ「!? お姉ちゃん!?」


 想い焦がれるフルーラのもとに、彼女の姉であるヨーデルが声を掛けてきた。フルーラが巫女になる前は、彼女が巫女の役目を果たしていた。


ヨーデル「巫女のことなら、私に任せなさい。フルーラ、あなただって思いも告げないまま後悔するのは嫌でしょ?」


フルーラ「う、うん…」


ヨーデル「サトシ君、結構女の子にモテそうな顔立ちで人柄も良いし、モタモタしていると間に合わなくなるわよ」


 ヨーデルの熱弁から、しばらくフルーラは考え込む。さらに、ヨーデルは付け加えるかのように、


ヨーデル「どうせなら、会えたらそのままアーシア島にお持ち帰りしちゃいなさい。初夜はふたりきりでゆっくりとね♪」


フルーラ「!? お、お姉ちゃん//////」


 捉えようによっては、爆弾発言ともとれる一言を投下する。我が姉の一言に、フルーラは顔を真っ赤にさせながら立ち上がり、姉に詰め寄る。


フルーラ「…わかったわ。私、サトシに会いに行ってみる。どこにいるか分からない上に、いきなりお持ち帰りは気が引けるけれど、行動しないよりはマシよね」


ヨーデル「その意気よ、我が妹・フルーラ。その答えが出ると思って、実はみっちゃんに船を出すように伝えてあるわ」


フルーラ「えっ!? もう、お姉ちゃんったら気が早いんだから…。まぁ、でも行ってくるわ」


ヨーデル「えぇ、行ってらっしゃい! その気合いで難攻不落(笑)のサトシ君をオトしてらっしゃい♪」


フルーラ「お姉ちゃん!」


 姉・ヨーデルに茶化されつつも、フルーラもまたアーシア島からサトシを尋ねて旅立っていったのだ。これは余談だが、フルーラを乗せた船の船長(通称‘みっちゃん’)が何故かサトシ達の行方を掴んでいたというのは別の話。


続く





後書き?