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すきすきだいすきあいしてる!

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 好きすぎて好きすぎて好きすぎて、もう、どーしていーのか判んないよ。
 ねえ、ねえ、すきなの、すきなんだ。ねえどーしたらいーのどーすればいーのどーしよーもないの、ねえ、もうなにもかもわっかんないよ。すきだよすきなんだよそのふわふわしていて透けるよーな金髪も骨張っているくせに繊細なその指や手もちょっと浮いた肩甲骨の跡もちょっとはにかんだように笑うとこも細いくせに俺なんかをひょいって担いじゃうとこも香水みたいな甘い匂いもそれと混ざる煙草の香りも刺すよーなその視線も、ぜんぶ、ぜんぶぜんぶぜんぶぜんぶぜんぶ。ねえどーしよーか、すきすぎてどーにかなっちゃうよ。毎日毎日毎日心臓がちくちくしてきゅうんってなってずきんずきん痛むんだよ。笑うだけでこっち見るだけで息を吸うだけで。ねえねえねえ俺ほんとに可笑しくなっちゃうかも。どーしようどーしようどーしようどーしようどーしよう。はじめてなんだよこんなのだから戸惑っているんだ判るでしょう?もう、もう、もう、今こーして目の前に居て俯いてでも話すだけでもう、息が詰まりそうになるんだよ。苦しいよ痛いよすきだよ息も巧くできなくなっちゃった!ねえもうどーせならいっそのこと何時も口に出すみたく俺を殺してしまっていーよ。もうやだよやだよやだよ、やだ、もう、やだ。よく判らない何かがおっきすぎてもうこわいんだよふあんなんだよ。そんな簡単に死にたくはないのだけれどシズちゃんにだったら俺殺されてもいーよ寧ろそれがいーよねえ願っているんだ。お願いだよもうなにがなんだか判んなくなってどーしよーもなくなってどーにもこーにも駄目になってこのまま重苦しい一酸化炭素のみを吸いながら生きるくらいなら、いっそ。ねえ、ねえ、ねえ、ねえ、ねえ。そーすれば優しーから、きっと俺に雁字搦めになって、俺だけを想って生きるでしょう。それこそがしあわせなんだよねえ判る?ねえほらねえはやくはやくはや、
 ぽすん。と、軽い衝撃。俺のとりとめもない、ただただ吐き出されるだけの剥き出しの感情を、ふわりと受け止めたのは彼だった。きゅう、と柔らかく優しく抱きすくめられて、するすると頭を撫ぜられる。あ、あ、あ。だから、駄目なのに。駄目なんだよ。そんな、優しくしちゃあ、駄目、だ。慌ててぐいと押すのだけれど、優しくもしっかと抱きとめている彼の腕は、ちっとも動かずに。俺はなんだかもうワケも判らず、泣き出したくなる衝動を堪えるのに、ただ、必死で。ねえ、ねえ、ねえ、やめてよ、やだよ、こーゆうのが駄目なんだよ、ねえ、やだ、こわいよ、ねえ、お願いだよ、はな、して。
 、いやだ。彼はそう呟くと、震える手で俺の頭を掴んで、ぽすんとじぶんの肩に乗せ、そして自身のそれを俺の肩に埋めた。いや、だ。しっかりと言い含めるように。彼はそう呟いたきり、俺の頭に置いた手も、指も、顔も、何一つ動かさずに、ただ、じいとそのままの格好で居た。肩を、震わせながら。俺はなんだか泣けてきてしまって、阿呆みたいにぐずぐずと泣いた。彼のこの行動が何を意味するのかも、俺のこのあやふやな衝動や感情や他の何かも、微塵も判らなかった。けれど、今は。
 ただ、彼の温度を共有したいと、だけ、思った。

(そうして彼と共に冷え切ってしまったとしても、それはこの上ない幸福なのである。)