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同調率99%の少女(5) - 鎮守府Aの物語

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「コホン! それでは説明を噛み砕いてさせていただきます。」
 そう言って明石が改めて始めた説明は先程よりも幾分わかりやすく、書記の二人もその場でのメモが少し捗ってきた。
 工廠の役割について聞いた三千花ら3人。三戸がこんな質問を投げかけた。
「あの、明石さん。この工廠で、艦娘の装備とか以外のものも作ったりするんすか?」
「え?どういうことかな?」
 三戸の質問の意図が見えず明石は聞き返す。
「あーえぇと。艦娘の艤装以外の機械も作れるなら、周りの会社や市民の役に立てるんじゃないかな〜って思っただけなんっす。あまり深い意味はないっす。」
 自分でもパッと思いつきで言ったことだったらしいが、そのアイデアは明石と提督に響いた。

「なるほど。例えば機材の修理を請け負うとかそういうこともできれば、この工廠を変に遊ばせておかずに済むな。明石さんの会社というか、明石さんたちって、艤装以外のものも取り扱いはできる?」
「えぇ。私は艦娘の艤装専門ですけど、会社に言ってその分野の技師を集めて担当させることならできるかと。実際ここに来てる私以外の技師って、彼らの専門って別の機器だったりするんですよ。
 ですから彼らの専門的な機材の取り扱いができるなら、私達のモチベあがりますし、実地研修にもなって会社にも話を取り付けやすいかもしれませんね。」

 思わぬアイデアに乗り気な提督と明石。明石は三戸に感謝を伝えた。
「ありがとうね、君。さすが男の子だね! こういう機械いじりとか、コッチ方面もしかして好き?」
「あ……はい! わりといろいろと好きです!」
 那珂・三千花・和子の3人は、そう言う三戸の視線が明石の首から下の体のボリュームのある部位を泳いでいるであろうことが容易に想像できたので、左右後ろから鋭い視線を送りつけておいた。が、三戸はそんな視線なぞ気にしていない。大人の女性がいたので少々舞い上がり気味なのだ。

 明石はゆったりした作業着にもかかわらず膨らみを隠し切れていない自身の胸が、目の前の青年に対する武器になっていることなぞ微塵も意識していなかった。色気よりも食い気(技術や機械)。そのたぐいに興味がありそうな人には純粋に迫ろうとするのが、鎮守府Aの明石担当、明石奈緒であった。
「そっか! 就職するときはぜひうちの会社に……」
「コラコラ。こんなところで無関係な青年を勧誘しないでくれ。」

 提督は説明が脱線している明石を諌めて元に戻させた。三戸がニヤケ顔で那珂や三千花らのほうに戻ると、やっとこの段階で鋭い視線が激しく突き刺さってきて気まずさを感じ取った。
「提案したところまではよかったんだけどね……」
「三戸君はああいう大人の女性が好きなのか〜そうかそうか〜」
 鋭い視線のあとに続いたのは、三千花と那珂からの嫌味混じりの言葉だった。