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同調率99%の少女(5) - 鎮守府Aの物語

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 歩きながら那美恵は時雨に他の娘のことを尋ねた。
「そういえば五月雨ちゃんや村雨ちゃんは?」
「あの二人は同じクラスなんですけど、何かクラスの用事が残っているとかで僕らだけ先に来たんです。それまでは秘書艦お願いって言われてるので、やれることがあれば僕が代わりにやります。」
「そ、りょーかい。」

「ねぇ御城さん?その秘書艦っていうの大変?」
 三千花が時雨のほうをチラリと見て尋ねた。
「えぇと……僕はさみ、五月雨からたまに引き継いで代わりに秘書艦するんですけど、意外とやることあって面倒な内容だったりと、覚えることやることいっぱいでホント大変です。どうもさみと提督の頭のなかでは大抵のことは固まっていてわかっているみたいであの二人はスラスラやってますけど……。まぁ、さみは成績良いし頭いいのは知ってるんですが、のんびり屋で時々おっちょこちょいなのによくやれるなぁと思いますよ。」

 その愚痴に那美恵はウンウンと頷く。
「わかる。わかるよ〜。頭の中で自分なりの手順や流れがしっかり描けてるんだろうね。だから性格云々は関係なしにスラスラやれちゃう。そういう人ってたまにいるよね〜。」
「まるっとあんたじゃないのなみえ。その五月雨って娘、あんたと似てるの?」
 三千花が聞くと、代わりに時雨がその質問に答えた。
「アハハ。那珂さんとは違いますね。那珂さんみたいにおどけたり底抜けに明るくはっちゃけるさみなんて想像つきませんよ〜。」

 なんとなく皮肉とも自分を馬鹿にされてるようにも思えた那美恵は全く本気でない軽い怒り方で三千花と時雨に反論する。
「ちょっと〜なんかまた私馬鹿にされてない〜?みっちゃんは仕方ないけど、時雨ちゃんに言われるのはちょっとびっくり〜」
 口をつぼませて拗ねる仕草をする那美恵。それを見て時雨はやや焦りを見せて弁解する。
「あ……すみません、悪い意味じゃなくて……」
「うぅん!時雨ちゃん可愛いから許しちゃう〜。あとみっちゃん!五月雨ちゃんにしつれーだよ!本人に会ったらその可憐さに萌えて土下座するがいいわ〜」
 もちろん本気で怒ったわけではないので那美恵は時雨をすぐに許しつつ、親友の三千花には辛辣な言葉を浴びせた。
「何よそれw でもあんたが言うくらいだから相当可愛い娘なんでしょうね。期待するわよ。」

 那美恵たちがそんなやりとりをする一方、ふと三戸や和子の方を見ると、二人は夕音と仲良さそうに話している。主に三戸と夕音がウマが合った様子でほぼ同じノリで会話している。和子は二人が(主に三戸が)暴走して変に騒いで町中で他人(や夕音)に迷惑をかけないかどうか、キモを冷やしながら二人の間に入ってツッコミ役を担当していた。そんな光景がそこにあった。