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はろ☆どき
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エドワードと氷の王さま【冬コミC89新刊サンプル】

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 エドワード達の生活は変わりなく穏やかで、皆で仲良く過ごしておりました。
 ところがある日、いつものように兄弟が二人で錬金術の本を読んでいた時、ホムンクルスが落とした鏡の欠片が飛んできてエドワードの目と心臓に刺さりました。
 エドワードは一瞬、ちくりとしたような気がして目と胸を押さえました。しかし違和感はすぐになくなりました。ですが鏡の欠片は取れたわけではなく、奥深くに入り込んでしまっていたのです。
 エドワードは突然、読んでいた本を放り投げ「こんなものちっとも面白くない!」と叫びました。
「何を言ってるの、兄さん? 今まであんなに楽しそうに読んでいたじゃないか」
 本をとても大事にしている兄とは思えない言動に、アルフォンスは大変驚きました。
「人の書いたものなんて作り話ばっかりだ。本当のことなんて何一つ書かれちゃいない」
 それ以来、エドワードには物事が見た目どおりには見えなくなりました。いつも優しくて親切だった人のことが冷たくて意地悪に思えてしまったり、立派だと言われている人物がたいしたことのない人間に見えてしまったり。
 あんなに楽しく読んでいた父の書物も、つまらないことや嘘ばかり書かれているように思えました。それで本を全く読まなくなってしまいました。

******

 家に薪がなくなっていることに気づいたエドワードは、ひとり森の奥で薪拾いをしていました。すると、どこからか氷のソリに乗った男が現れました。
 闇のように黒い髪と瞳――ロイです。
「やあ、エドワード。やっと二人で会うことができたね」
「あ……こ、氷の王さま」
 エドワードは突然のことに戸惑います。
「ロイ、だ。以前ちゃんと名乗っただろう?」
「だってあんたは『王さま』なんだろ」
 皆がそう呼んでいるから、自分もちゃんと「王さま」と呼ばなければいけないと思ったのです。
「それは人々が勝手に言っているだけだ。私は誰の王でもない。君はどうか名前で呼んでおくれ」
 ロイは意外なことを言いました。けれど確かに、氷の城に住んでいて冬を司っていると言われていますが、国を持っているとも部下を従えているとも聞いたことはありません。
「そっか。じゃあ……ロイ」
 エドワードが名前を呼ぶと、ロイはにっこりと微笑んで言いました。
「君を待っていたよ、エドワード。私と共においで」
「え、オレを? なんで?」

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(続きはオフにて)

こんな感じで、どこかで聞いたことのある童話のような展開でお話が進みます。
元ネタも鋼の設定も入り乱れておりますが、パラレルなロイエドとしてお読みいただければと思います。