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何時だってそう、俺は君を待ってるよ。

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午後5時。
帰路につく人や友人や知人と1日の終わりを
過ごす人で街はごった返す。
もちろん、紀田正臣もその1人である。
夏が近付いた空はまだ明るく生ぬるい風が頬を撫でた。

「はあ、ったく、あの人はっ」
利き手に握れた携帯の画面を眺め1人ごちる。
折原臨也。彼から届いたメールの内容は大したものではなく、『露西亞寿司求む』
と一言だけの素っ気ないもので。
「いや、うん、確かに半額デーですよ、今日は!!!」
でも、と携帯の向こうで当たり前のようにこの文面を眺め送り付けてきた人物にせめてもの報復とブツブツと文句を垂れた。



「紀田?」
ふと、名前を呼ばれ振り向くとハットのよく似合う男。
六条千景の姿がそこにはあった。
「あれ、ろっちさん」
あくまでも六条千景は千葉の人間で池袋に現れる事はあまりない。
といか、自分の知り得る中ではあの抗争以来なのではないだろうか。
「よ、久しぶりだなー」
変わりない雰囲気と笑顔で片手を軽くあげ正臣の前までやって来た。
「久しぶりっすねー、どしたんすか?珍しいっすね!」
あの抗争以来彼とはSNSでは度々連絡を取り合う中になった。
「いやー、ハニー達が会いたいって泣きつくもんだからさ」
と、六条は広角を上げた。
何処かの誰かの様な笑みではなく正臣の知る優しい雰囲気のある笑み。
「あははー、なんすかそれ、おもしろいっすー」
正臣は棒読みで軽く流す。
悔しさと自分は臨也のパシリなのにな。等の少し悲しい感情があるのは隠しておこう。と心中では呟く。
「まーな、で、難しそうな顔して何してんだ?」
そんな正臣の心中を知ってか知らずか六条は正臣に問う。
「いえ、露西亞寿司が半額デーなのではお持ち帰りでも、なんて」
ははは、と渇いた笑いを浮かべる。
「ふーん、なら俺も一緒にいいか?」
「え、」
たらっと汗が流れた気がした。
あの抗争以来六条は臨也をあたり良く思っていない。
というより、良く思ってない。
それは、正臣も理解している。
そして、正臣自身も六条から臨也には関わるなと釘を刺されていた。
六条は兄貴気質な所がある様であの抗争から正臣の危うい雰囲気を気に掛け何かと連絡をしていた。
「ん?何かあんのか?」
折り合いの悪そうな正臣の表情を見て六条は不思議そうに首を傾げた。
「いや、そーいうんじゃないんすけと、、」
言葉を濁す正臣に六条は違和感わ覚えた。
「どーしたんだよ、」
目線を四方に泳がせ濁りきらない正臣に少し苛立ちを覚えた。
「いや、えーっと、、 そう!
友達に!友達と食べようかななんて!」
ははは、と正臣は自分ても口元が引きつる感覚を覚えた。
「は?」
「ちょっと、正臣くん何こんな所で油売っちゃってんの?」
は?、と言葉を紡ごうとした時、六条の背後から聞き慣れた声が聞こえた。
まるで、蛇に睨まれた蛙、の様に正臣は声の主、折原臨也を見つめた
「げ、臨也さん、、」
ヒヤリ、と額から汗が流れた様な気がした。
「あ?何で手前がここにいんだ?」
自分の背後から嫌な空気を感じ六条は正臣の目線の先の人物を振り返った。
「いやだなあ、またそんな愚問。、、、それよりさ、正臣君、俺のメール読んだよね?」
一瞬臨也は六条をちらりらと見た後すぐに正臣に目線を戻した。
「 いや、まあ、、、」
バツが悪そうに正臣は少し目を伏た 。
「紀田、、どーゆー事だ」
六条もまた、臨也から正臣へと目線を戻した。
少し、苛立ちを浮かべた表情をして。
「あのねえ、六条くんだっけ?なんなのさ君 。 もともとは俺が先約だよー順番は守ら なきゃ、ね ?そう教えてもらわなかっ たのかな?」
にやり、と嫌な挑発的な笑みを臨也は六条に向けた。
「 そもそもらあんたが秧序なんて物持ち合わせていた事に驚きだけどな」
はっ、と六条は鼻鼻で臨也の言葉を笑った。
「おや、それは侵害だなあ、俺ずるい 事はしない主義なんだ」
実際臨也の行動が非常だったとしても行動を起こすのは臨也に何かしら吹き込まれた側の人間の方で間接的な意図はあったとしても直接的に折原臨也といあ人間が関わる事少ない。
むしろ無いのではないだろうか。
この男はそういう類の人間だ。
六条は内心舌打ちをした。こいつに、折原臨也に余計な感情は見せてはいけ ない。そんな事は六条自体よく理解していた。
「何にしろ、今日は俺が先約だからさ」
もう一度臨也は正臣をちらっと見後 、 一息置いて近づいた。
「さてと まあ 今回は正臣君の意とは 反してたみたいだから、良しとしてトロは譲れないからねー、行こうか」
正臣な利き手、携帯握られた方のを臨也は掴んだ。
「はあ、解りましたよ。だから手、離してもらえます?ろっちさんすみません。また今度時間のある時に」
正臣の腕はまだ掴まれたままで、六条 に正臣は笑いかけた。
そして、こりゃ近いうちろっちさんに もどやされっかな、と内心一人ごちった 。


「まったくさ、君はどうしてすぐに誰かに捕まっちゃうのかな?この前だってさ家の近くでしずちゃんと会ったでしょ?おまけに部屋にまで招きいれちゃってさー」
ずんずんと正臣は臨也に引っ張られる様に後ろ姿見つめながら歩いた。
( ... つかなんでそんな事まで知ってん だよ!! )

、、、何となくこの人なら知ってても不思議ではない様にも感じるがしかし、自分の知らないところこの人 に監視されてるのかと思うと聊か気味 の悪さも感じられる 。
それともたまたま、本当に たまたま 通りかかった だけなのか。まあ、その確立はものすごく低い、わむしろ無いに等しい気がする。
何せ、こーゆー事は初めてではない。自意識過剰、こんな疑問を彼にぶつけようもんならそんな言葉が返ってきそうで。それはそれで、何か … うざい。
と一人喋り続ける臨也背中を見つめたまま 正臣は一人ぐるぐると脳みそを回転させた。
「あのさ聞いてるの?」
「ぶっ!!!」
突然臨也 が立ち止まり、正臣は彼ほ背中に顔をうずめる体制になった。
「 ちょっと、正臣君さー」
「 はいはい 、すみません 。聞いてます。静雄さんはたまたまです。久しぶり話が盛り上がったからなだけです。
他意はないですよ」
くるり、と振り返った臨也と目が合い正臣は彼のいう先日の事柄の詳細を話した。
「 ふーん、ならいいんだけどさ」
すっと細められた目に正臣はまた少し寒気を感じた。
中学生の、出会って少したった辺り。
その頃から、臨也は正臣に対して稀にそういった疑う、に等しい態度を取っていた。
なんなんだろろうか、これは。その臨也の行動の正体が正臣には良く理解出来ずにいた。
「そっすよ」
ひょい、正臣は臨也の横に並んだ。
そんな彼を見つめて臨也はうっすらと 微笑んだ 。



あのさ、そろそろいい頃合だと思うんだけどな。
君は成長したよ、うんと大人に近づいた。
子供の成長は早い、だからこそ楽しい。

ねえ、正臣君そろそろ君も理解できるよね?
誰かがつまみ食いしちゃう前に早く俺 の元へ落ちておいでよ。