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筒井リョージ
筒井リョージ
novelistID. 5504
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【ヘタリア】姉さん事件です!【米ウク】

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t_ryoji
メリカがおねえちゃんに謝ってる図を受信した。 
RT @Americabot: 悪かったよ! 本当ごめんってぇえ!

10koko
人前で、おねーちゃんのズボンをずるっと脱がすというアクシデントがあった、というところまでは受信した。

t_ryoji
「わざとじゃなかったんだ!けして!信じてくれ!」
とスケスケないい訳を繰り返すメリカに涙目で(ズボンそのまま)睨む衆人環視の中のバカップルの図という所まで受信しました

10koko
それを見て冬将軍を召喚し始めるろったまと、それを見てあわて始めるバルト三国と眉毛まで受信しました。

t_ryoji
ところが冬将軍のブリザードが発動する前にメリカが瞬間的に上半身を逸らした。
ヒュッと風を斬る音と同時に渇いた木の音。
お姉ちゃんが横を向けば街路樹に刺さったナイフが涙で雲った目にも煌いて見えた。
「あぶないなぁ、もう…」
反対を向いたメリカの視線の先には能面の様なベラが。
「…失敗した」
感情の起伏を感じられない呟きはその鉄仮面を崩す事もなく、静まり返ったあたりに水滴のような清らかさで響いた。
…とここまで受信しました。

10koko
「HEY!街中でナイフ投げなんて危険じゃないか!」
「お前…言いたいことはそれだけか…」
かみ合わない会話をしながら対峙する二人。
そこへ「うふふーなんだか二人とも楽しそうだよねー僕も混ぜてよー」と、何人も近寄れないオーラをまき散らしながらロシアが近付いてきた。
「アメリカくんさー僕のお姉ちゃんで遊ぶのやめてくれる?」
「あ、遊んでなんかないぞ!あれはアクシデントで…!」
「うるさい」
言うが早いか再びベラのナイフが空を切った。
…とここまで受信しました。

t_ryoji
再び襲ったナイフを軽くかわし、メリカが二の句を告ごうとしたところを「いやああぁあ!みんな喧嘩は駄目でしょおおお!」と場違いな高音。
その場にいた全員の視線がその一点に向いた瞬間、ずべしゃあああと大仰な音を立ててお姉ちゃんが転んだ。
どうやら自分がズボンを下ろしたままという事を忘れていたらしい。
見事な美尻を覆う薄い布に隠された柔肉が衝撃に揺れるのを、メリカのテキサスが反射しているのをイギリスは見逃さなかった。
ココまで受信しました。

10koko
「せっかくのお友達なのに、ケンカするなんてダメよ!みんな仲良くしなきゃ!」
自分の格好をすっかり忘れたまま、ウクライナは必死に訴えた。
ベラの顔が見たこともない表情になりつつあるのを見かねて、リトアニアがおそるおそる声をかけた。
「あのぅ…ウクライナさん…ズボン…」
そう言われて、彼女は改めて自分の下半身を見た。
必要最低限の布だけを纏った体。周囲を見回す。
沢山の人が自分を見ている。
そして弟がいて妹がいて、その二人と対峙している…
そこで彼女の羞恥心が限界に達した。
…ここまで受信しました。

t_ryoji
「あ、う」等と言葉にならない音をぱくぱくと繰り返す口元から吐き出し、真っ赤になったウクライナが転んだ体勢もそのままに必死にズボンを引き上げようともがいている。
流石に可哀想になったイギリスがそっと自分の上着を彼女に掛けてやる。
「とりあえず、落ち着け」
「イギリス君」
潤んだ瞳でイギリスを見上げるウクライナを見て、アメリカが叫んだ。
「あー!!君それずるいぞ!!!それはHEROの仕事だろ!!」
子供のように地団駄を踏む図体ばかり大きくなった子供に呆れた視線を送りイギリスは溜息を吐く。
「だったら初めからこんな悪戯をしなければいいだろ」
窘める大人の態度が気に入らないのか、唇を突き出しフイと横を向く。
「別に俺は悪戯なんかしてないんだぞ。不可抗力ってヤツだからな」
ああ、育て方を間違ったのをここまで恥かしいと思った事は無いと額を抑えるイギリスをあわあわとしながらなだめるウクライナ。
「どうでもいいから早く姉さんズボンを上げなさい」
冷静なベラルーシの声を頭上から聞いてハッとすると、イギリスに借りた上着の中でもごもごと不自然な動きをはじめた。
それを眺めながら何でも無い様にアメリカに視線を送る人形姫。
「とりあえず、姉さんが気にしていないみたいだから許してやってもいいわ。今回だけね」
と情状酌量の断罪を下したところで背後の兄を振り仰ぐ。
「だから兄さんも…」
笑顔だけは変わらず不穏な空気を巻き散らしていたロシアはその笑みを深くするだけで答えない。
「もう、なんだいなんだい!君たち揃って俺を悪者にする気かい?ひどいなぁ…」
全く反省を見せないアメリカに、ベラルーシの無表情が僅か曇った。
緊張感は酷くなるばかりだったその雰囲気を壊したのはやはりウクライナののんびりとした声。
「イギリス君ありがとう」
そっと軽く畳んだ上着をイギリスの腕に押し返し、不自然な体勢で着替えた為か乱れてはいるが着衣を整えた彼女がゆっくりと立ち上がる。
「アメリカ君も謝ってるんだから、二人とも許して頂戴ね。お姉ちゃんケガもしてないし大丈夫よ〜」と間延びして答える。
けれど弟妹は知っていた。
彼女は何時だって自分の負の感情を他人には告げないという事を。
真っ赤になって涙目のまま笑う顔を見れば一目瞭然だ。
「あ、そうだ。そろそろご飯の用意しなくちゃね!ベラちゃん手伝ってくれる?」
さぁ帰りましょうと妹の手を引く姉についていくベラルーシと、それを眺めやっと肩の力を抜いたロシアが後に続いた。
その表情は「仕方ない」とありありと告げていたが周りをとりまくバルト三国は誰一人として突っ込む者は居なかった。
「あ、アメリカ君、イギリス君。それじゃぁまた…」
照れたような笑みを向けたウクライナの去り際の表情に、アメリカはなんだか胃の奥まで気分が悪くなるのを感じた。
長年知ったイギリスはすうと表情を消す隣のアメリカを見て溜息を繰り返す。
「そんな顔をするくらいなら素直に謝ればいいんだ」
「五月蝿いぞ、君」
ふいっと踵を返し去っていく愚弟をどうやって励まそうかと悩みながらイギリスも彼の後を追った。
…とコレでゴールしていいですか?(^q^)

10koko
数日後、フランスにとびっきりの薔薇の花束を作ってもらい、アメリカは彼女の元へ向かった。
怒っていてもう会ってくれないかも、とか、弟妹たちがいたら、とか、色々と考えたが、どうしてももう一度彼女に会いたいという気持ちには、ついぞ勝てなかった。