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田村屋本舗
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novelistID. 61089
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社長と僕

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建築現場



沢山の業者との
咬みあい



工事の段取りが悪く
設備業者の仕事と
現場が勝ち合ってしまった



当時27歳
責任者として
会社から現場を任せられ
途方に暮れた



仕事が出来ない状況



設備業者に
落ち度がある訳でもなく
現場監督に頭を下げられれば
待機するしかない



そんな兼ね合いがあり
設備会社の社長と
会話を重ねるうちに
親しくして
貰えるようになった



高卒の職人と
大学卒の社長



対面で食事をする機会など
滅多にある訳ではない



本社ビルと
営業所三箇所を
保持する社長



建築家の親会社
跡継ぎとして
会社を支えてきたが
実親との仲違いにより



独立し
設備会社を設立した



無一文から
熨し上がった
実績のある
権力者でもある



社長の拘りは
営業所の上に
社宅を設ける事



ハードな仕事上
家族との時間を
大切にしなければ



技術を持った社員でも
退職してしまうらしい



それは
仕事に縛られ
離婚してしまった
経験から得た



社員への
配慮でもあった




随分
過保護な経営者だと
思ってしまったが



高い給金を支払う限り
妥協せず
働いて貰うと言う意思は
強い信念が感じられた



よく働く社員が多いと
自慢するだけあり
社員への愛情も
半端なモノではなく



本社ビルを
ぶっ建てた実力は
満更 口先だけの経営者では
ないのだろう



事業拡大の為
社員募集を
掛けているらしく



各大学まで
直接交渉に
出向くそうだ



そこまで
大学卒に
拘る意味が
あるのだろうかと
疑問に思った



専門技術ならば
専門校や経験者であれば
そこそこ技術的には
同等ではないのだろうかと



高卒の俺には
納得のいかない話だった



専門校でも
充分ではないか



そんな問い掛けに
社長は答えてくれた



専門校で学んだ技術で
満足してしまうより



大学に進学し
上を目指す人間の方が
向上心がある



学び取ろう
技術をモノにしようと
努力をする
意思の証明なのだと


納得です



専門技術だけに
知るべき勉学を
身につける意思



あきらめず
上を目指す
向上心



大学とは
そう言う場所なのだと
初めて知りました



美大を目指し
中途半端に就職先を
探してしまった
俺とは違う



結局 内定を頂いた
就職先でさえ
退学を喰らって
水の泡にしてしまった



ただ安易に
親の金を食い潰し
大学進学する人ばかりでは
ないのでしょう



夢だけが大きく
口先だけ
有望な将来を語り
何年も大学に通う人も
中には居るでしょう



苦学生で働きながら
必死で学ぶ人もいれば



親の家業を継ぐ為に
進学した人も
いるでしょう



遊び呆けて
辞めてしまう人も


違う夢を見つけ
方向転換する人も



人それぞれ
考え方も
違うが



社長の話を聞き



大学進学も
悪くないと思った



学生の頃
この話を聞いていれば



もっと違う人生を
歩んでいたかも
知れません



挑戦する事は
いい事だ



就職難や
日本の情勢に
託け



何もせずに
ただ愚痴るより



何かを求め
学ぶ



人生 死ぬまで勉強だと
謙虚な老人が言うが



満更 嘘では
ないらしい
作品名:社長と僕 作家名:田村屋本舗