ドラマ「カルテット」な役者が、もし異世界転移したら?
『ツバメちゃん貝を拾う』
ツバメ「みてみてマキさん♪ こんなにたくさんの貝を拾ったよ!」
ツバメはバイオリンケースの中にギュウギュウに貝を詰め込み、松たか子マキに見せびらかした。
マキ「やったねツバメちゃん! 今日皆が食べる分まで取ってくれたんだね。ありがとう 」
ツバメ「(*´∀`*) えへへ、ついでだよ、たまたま近くに沢山貝が集まってたたから、根こそぎ取ってきただけだよ」
マキ「いやいや、それでも、ありがたい。ツバメちゃん、ありがたい」
ツバメ「ところで、皆(男)返ってくるの遅くない?」
マキ「そうだね、もう日が暮れているのに……」
ツバメ「もしかしたら、森の中で迷ったのかも知らない!」
マキ「ツバメちゃんみたいに食べ物沢山見つけて夢中で取ってるだけかもよ?」
ツバメ「だといいけど…」
翌朝になっても男メンバーは戻って来なかった。
ツバメ「どうしようマキさん、みんな戻って来ないよぅ。探しに行く!」
マキ「一旦、冷静になろうツバメちゃん。もしかしたら、この世界の住人にばったり出くわして不審者として連れていかれたとか、その住人にとって私らが美味しそうな食事に見えるとか、悲観的な想像をするのはやめよう。きっと王子様が通りかかって皆を保護したはいいものの言葉が通じなくて、あれやこれやしているうちに帰れずに朝になってしまったんだよ。だから待ってればその内帰って来るんだよ」
更に半日経っても帰ってこない。
「マキさんどうしよう、みんな帰ってこないよ! もしかしたら、道に迷って遭難しているかもしれない。早く探しに」
「ツバメちゃん、駄目だよ! こんな時こそ冷静にならなくちゃ。皆がどのあたりにいるか分からないから、捜しようがない、下手に森の奥に進むと、私達が遭難するかもしれない。私達に出来ることは…」
二人は演奏した。バイオリンの音で自分達の居場所を伝えようとした。
作品名:ドラマ「カルテット」な役者が、もし異世界転移したら? 作家名:西中