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Can I kiss you?

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「キスしても、いいか?」
最早何度目かわからない問いかけに、これまたいつものごとく日本は答えに詰まった。
(どうして…)
どうして同じ事を聞くのだろう、このひとは。
最初にうなずいてしまってからというもの、会うたびに求めてくるのだけれど、こんなときだけ紳士的にこう尋ねてくるのだ。
一番最初はいい。聞くのは相手への礼儀だと思う。しかし毎回毎回聞いてくるのはどうなのだ。
(そのたびに言葉に詰まる自分もどうかと思うけど)

辺りは夜。二人のほかは誰もいない部屋の中で、すでに互いの距離は0センチメートル。この雰囲気、この状況でまさかNOと言えるわけもない。
一度くらい駄目、と言ってみようかという誘惑に駆られるけれど、それはそれで面倒なことになりそうなのでやめておく。

だいたい、と思う。
…答えなんて、聞かなくてもわかるではないか。

「どうしてそんなこと…聞くんですか」
せめてもの抵抗のつもりで、息が掛かるほど近くにある顔に問い返す。
すると目の前の相手は心底驚いたように綺麗な碧色の目を見開いて、さらに少し、距離を詰める。

「…それは聞かなくても好きなときにしていいってことか」
「なんでそうなるんですか!」


作品名:Can I kiss you? 作家名:オハル