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りゅーしぃ
りゅーしぃ
novelistID. 62767
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GE-オリジナルシナリオ-

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Episode.1



 肌寒い季節も終え、半そで時期のとある夜。母と幼い娘の2人で暮らしている、極平凡な民家のお母さんが、寝室で寝る前のお話として、まだ幼い娘にとある『伝説』を読み聞かせていた。歴戦のゴッドイーター雨宮リンドウと、名も伝わっていない第2世代の新人ゴッドイーターの伝説だ。
 そして物語りも佳境を終え、

 「__そしてシオは月に行き、週末捕食を止めたのでした。ソーマは涙を隠せず、皆の気持ちも複雑ですが、世界は救われ、今の私達がいるのです。おしまい。」

 時は午後11時。娘も寝てしまい、お話も読み終えた。旦那のいない彼女は旦那の事、これからの娘の事を考えながら、物思いに耽っていた。そんな時。
 ドン。玄関の方から音が聞こえた。アラガミは近年開発された自動攻撃型防護壁に守られているこのシェルターには、よほどの事が無い限り入れない。彼女は恐る恐る玄関に忍び寄る。人の気配はない、やっぱりアラガミ・・・・・・?そんな恐怖が心臓を高鳴らせる。のぞき窓からは何も見えない。
 彼女が覚悟を決めて扉を開けると、

 「・・・・・・!!!」

 彼女は顔を真っ青にした。そこには衣服が何かで真っ赤に染められた少年が横たわっていた__



 あれから3時間ほど経つ。
 少年を見たとき、彼女は少年を傷だらけだと思い込み、すぐさまリビングまで担いでソファーの上に寝かせた。女手一つで担げるほど少年は軽く、顔を見るにまだ十代かそこらだろう。彼女は、汚れたままではと少年を着替えさせた時に、体に一つも傷が無いことに気づき、ほっとする反面、少しずつ冷静になり、不安を心に宿していった。
 少年が起きた時の為に、とキッチンへ向かおうと彼女が立ったその時、微動だにしなかった少年がおもむろに起き上がった。

 「おなか・・・・・・空いた・・・・・・」

 少年はか細い声で、そうつぶやき、その場にパタンと横たわる。今度は意識は失っていないようだ。そんな少年を見て彼女はクスリと笑い、おにぎりを3つ程作ってきた。
 10分ほどかかっただろうか。おにぎりを作る間、少年はやはり動いていなかったが、彼女の「おまちどうさま」という声に対し、今気づいた!ここはどこ?あなたはだれ?と言わんばかりに辺りを見渡す。
 少年に経緯を話し、改めておにぎりを差し出す。彼女はお詫びに教えて?と少年に何があったのか聞いた。

 「・・・・・・敵と戦ってた、と思う。相手の姿かたち、色も何も、思い出せないんだ。」

 困り果てた顔をして、少年はそう答えた。その話を聞き、彼女は違和感を覚えた。だがその正体は、すぐに分かった。

 「君、ゴッドイーターじゃないよね?どうやって戦ってたの?」

 良く見ると少年は腕輪をしていない。アラガミと戦えるのは、神機のオラクル細胞に飲み込まれない為に適正試験を受け、それに合格して制御腕輪を付けている、ゴッドイーターだけのはず。少なくとも世間にはそう知らされている。
 だが少年は、よくわからない、というような表情をしている。話してみると、どうやらゴッドイーターというものすら、知らないようだ。
彼女は、余り深く追求せず、少年が食べ終わるのを待つこと10分。

 「あーおいしかった!お米もおいしいなー!もっと雑食になろうかなっ!」

 そんな少年の姿を見て、和んでいた彼女だが、少年はすぐにこう切り出した。

 「じゃぁ、おれ行くね!こんなおいしいご飯ありがとう!」

 少年は元気に立ち上がり、玄関の方へ向かい扉を開ける。彼女もその背を追い「家は近いの?送ろうか?」と尋ねると、思いもよらない答えが返ってくる。
 家はなく、親もいない。寝泊りはその辺で適当に。
 彼女は少年のそんな言葉を信じきれず、冗談でしょ?とほのめかす。だが少年の目はどこか虚ろで気力がない。
 彼女は「とりあえず今日は泊まっていきなさい」と少年に促した。断る理由も無いといった表情で、少年は彼女の提案に頷きソファーに戻る。
 少し時間が経ち、彼女は少年の横で寝てしまっている。少年は寝たフリをして、彼女が寝るのを待っていた。家を去るためだ。ほんの数時間だが、良くしてもらった彼女に対し、何も躊躇することなく玄関へ向かう。彼女は寝てしまって気づかない。少年も何も言わず扉を開け、おもむろにその場を立ち去った__