女同士
「アメリア入るわよ」
ノックしてから、リナがアメリアの部屋に入ってくる。
何だか、様子がおかしい。
こんなリナ初めてだ。
「どうしたんですか?リナさん」
「うーん、最近何か調子悪くて」
あのリナが!!
と思わず目を丸くする。
その背後から、ガウリィとゼルガディスがやって来た。
「何だか、そばにいても上の空なんだよ」
「珍しいな。リナがこんな状態になるなんて」
二人もあまりないことなので心配していた。
よく見ると、顔色が悪い。
額に手を当ててみると、おでこが熱い。
「リナさん風邪引いてますよ。熱があります!早く安静にして寝てないと。すぐに、支度しますね」
アメリアは慌ててリナを部屋に連れて行き、リナをパジャマに着替えさせてベッドに寝かせた。ガウリィやゼルガディスも、水を持ってきたり、各々自分にできることをやっていた。
「大丈夫ですか?どうして、言わなかったんですか?」
「まさか風邪を引いてるとは思わなくて」
「だからってお前、無理したら余計心配するだろうが!!」
アメリアが言う前に、ガウリィが少し怒気を含んだ声で告げた。
ゼルとアメリアが。目を丸くする。
リナのことに関しては、自称保護者のガウリィの心配は半端じゃない。
なぜ、これで恋人じゃないのか不思議なくらいだ。
見かねてゼルが、間に入る。
「とにかくここは、アメリアに任せて俺達は下の食堂に行くか、ガウリィ」
ゼルがガウリィを連れ出した。
アメリアの顔がほっとしたのを見逃さなかった。
ゼルには分かるように、アメリアが苦笑する。
ガウリィは心配なのだろう。
ゼルには、その気持が痛いほど分かった。
つい、この間までアメリアが風邪をひいていたのだ。