宣城君 様
宣城君様は今、何処におられるのでしょう。
幸せでおられますか。
何を見ていますか。
何を感じていますか。
何を描いておられますか。
そこに風は吹きますか。
そこには朝鮮と同じ花は咲きますか。
宣城君様のお好きな芍薬は、咲いていますか。
私は宣城君様の差し伸べた手を、三度振りほどき、あなた様の元を去りました。
四度目は、、、、あるでしょうか、、、、。
予感の時は、そう先の事では無いでしょう。
宣城君様が心から差し伸べた、手を取らなかった天罰が、下るのかもしれません。
私は風に乗り、自由な筆を走らせる宣城君様の隣で、あなたとおなじ光を感じたい。
私は風になり、宣城君様の翼と共に、、、共に光を写したい。
宣城君様の背中を見て歩きたい。
宣城君様は、私が触れる手を感じるでしょうか。
私は宣城君様の温もりを感じるでしょうか。
自由ですか。
幸せですか。
今、笑っておられますか。
─────金剛山の空を超え、
あなたの元へ駆けてゆきます────────。
申 師任堂