ぴょんこ
時々、一人きりの部屋で歌を歌ってみる
そして、幸せだった頃をなんども思い出す
例えばあの頃のママが今の私をみたらどんな言葉をかけてくれるだろう
「ごめんね」や「こんな事しなくてもいい」そんな言葉でなく優しい言葉を、声音を聞かせてくれれば、いえ、言葉なんてなくただ抱きしめてくれれば…そんな事を考えては胸を締め付けられ、その度に自分の目的を果たさなければならないと気持ちが急かされる。
「特別」だとか「私の子」だとか、昔好きだった同じ言葉は今、呪いとなった違和感も薄れてしまった。それが美しい思い出さえ汚す前に終わらせなければ
檻を出て、嘘で隔離された街に来ると私の行き詰まった閉塞感も少しは和らぐ
おかげさまでぴょんこが手に入れられたものもあってとーっても幸せですっ♪
噂に聞いていたライトノベルや同人誌!
お年頃の私を夢中にさせちゃうステキなお友達とか!嘘です。
つばめさんったら本当に可愛いんですよ!この前もちょっと冗談を言ったら真に受けて顔を真っ赤にしちゃって!思わず抱きしめたくなっちゃいました♪嘘です。
それ以外にも学校でお友達とダダマホの話が出来るなんて転校前は考えられなかった贅沢ですね♪嘘なんです。
全て任務をこなす為の嘘なんです。わかってるんです。
この世界を終わらせてしまえば消えてしまうのに、私が終わらせる世界に愛着を持ったところで仕方ないじゃないですか。覚悟なら出来てます、自分がなにをするべきかわかってます。嘘です。本当は自分でももうわからないんです。
なんでみんな私に優しくするんですか、どうして私なんかのために一生懸命になるんですか。
最近、笑うたびに怖くなるんです
自分がなぜここに居るかを忘れてしまいそうで
せっかく買い物に来たのに余計な事を考えてたらなんだか悲しくなってきちゃいました、ダメダメですね。
こんな気持ちで買い物をしたくないので今日は帰りましょう。ママの待ってるあの家へ
今はもう私だけが知ってる、今も時々ママは優しく笑う、それが本当の姿だって私はわかってる。
何に変えても取り戻さなくちゃならないのだから…
私が歌わなければ世界は続くだろうか