紅茶の中に入れるなら?
日本です。
本日はちょっとした心理テストを思い浮かびまして、こうして筆を取らせていただいた次第でございます。
設問に○をつけて、ご返信いただければ幸いでございます。
紅茶の中に入れるなら、次の内どれを選びますか?
1.ハチミツ
2.ブランデー
3.レモン
4.アイス
「あ、俺と〜・・・ドイツにも?あ、ハンガリーさんとオーストリアさんの分もあるよぉ」
「しっかしさすが日本さんやなぁ、どこに誰がいるかしっかり判ってはるんやなぁ」
「あ〜、何か聞いたことあるぞ、これ・・・」
「紅茶にこんなもん入れるのは嫌だな・・・」
「紅茶にはジャムだよねぇ、リトアニア?」
「日本、何アルかこの心理テストは。意味判らんネ」
「あぁ、届きました?素直な気持ちで答えてみてください。
皆さんからもお返事待ってますので、結果が揃い次第一緒に見ましょうよ」
私はお知り合いの皆さんに、ある心理テストつきの手紙を出した。
何となく、頭の中で想像してある、結果。
イタリアくんはこうで、ドイツさんはこう、そんな感じ。
「我はレモンを選んだアル。
しかし紅茶を飲む習慣はないアル、難しい問題ネ」
中国さんは少し困ったような顔をして、首を傾げる。
中国さんはレモンか、私の予想は一発目から外れてしまった。
「あ、そうなんですか?へぇ〜・・・うん、納得です」
「むぅ〜何アルか!隠さないで言うアル!」
笑いながらヘッドロックされて、私は首にかかった中国さんの腕を軽く叩く。
「わぁっ中国さんやめて!あははっ」
そんな和やかな雰囲気をぶち壊す、どたばた足音。
「日本!日本大丈夫かい!?」
彼は空気が読めないため、中国さんを引き剥がし私を抱き締めた。
あなたのハグがね、さっきのヘッドロックよりもずっと痛いんですよ、
知らないでしょう。
「ちょっ、アメリカさんっ!」
「何だいどうしたって言うんだ日本、君を助けたよ?」
「ちょっとじゃれてただけなんですっ!あぁもう、中国さん大丈夫ですか?」
私は怒髪点を越えそうな中国さんに近寄る、
その瞬間中国さんがまくし立て始めて、頭を抱えた。
「アメリカあぁ!!
貴様はいい加減日本に関わるのをやめるアル鬱陶しい奴アルなぁ!!
日本は我が養うアル!!」
「ちゅ、中国さん・・・」
「何言ってるんだい中国!!日本は僕とずっと一緒さ!!
二人でそう約束したんだぞ!!」
あぁもう、いつもこうなるんだから。
私は溜め息をつき、アメリカさんが私の出した手紙を直接持って来てくれたことを知った。
「アメリカさん、その封筒いただけますか。あと、中国さんに謝りなさい。
あなたの力で剥がされて、背中打っちゃったんですよ」
「あぁこれだね、どんな結果なんだい?君は何だったの?」
もう話題を変えて、私の言うことは聞かない。
中国さんがじたんだ踏んで怒っていたけど、そんなことは関係ない。
「に〜ほ〜ん!俺たちの分届けに来たよぉ!」
「こんにちは、日本さん。随分お揃いで楽しそうね」
あぁ、救世主。
助け船がやってきた。
「はいっこれ、俺たちの分。ねぇねぇ早く結果教えて〜!」
少し早いが、このメンバーにだけは教えてあげよう。
私は結果の書いてある紙を片手に、4人を座らせた。
「他の皆さんにはまだ教えないでくださいね。
イタリアくんとアメリカさんはハチミツ、
中国さんとハンガリーさんはレモンですね。
ちなみに私はブランデーでした。
では結果をご覧ください」
ハチミツ
〜ムード重視の積極型!〜
ブランデー
〜男を惹き寄せる強者!〜
レモン果汁
〜尻込みする恋愛妄想族!〜
アイス
〜冷静すぎて消極的!〜
「HAHAHA傑作だよ!心理テストって当たるんだねぇ日本!?」
「ほんと〜当たるねぇ日本!!
だってドイツレモンアイスとか言ったんだよおっかし〜!!」
「それは本当かいイタリア!?
冷静だけど妄想ばっかりで消極的、って正に彼のための言葉じゃないかっていたぁっ!?」
「ぴぎゃあっ!!」
「イタちゃん、笑いすぎよ」
あぁ、ハンガリーさんは容赦がない。
アメリカさんの頭をしたたかに殴り、イタリアくんの頬っぺたをつねる。
中国さんの呆気に取られた顔と一緒に、思わず笑ってしまった。
「ふぇぇ〜ん、ハンガリーさんごめん離してぇ〜」
「ふふふっ、ハンガリーさんそのくらいにしてあげてください。
いかがですか?当たってました?」
ハンガリーさんはイタリアくんの頬を離し、少し俯く。
「・・・当たってたわ、日本さん。確かに私はレモン汁よ。
・・・悔しいけどね」
ハンガリーさんがフランスさんに襲われるオーストリアさんを見て、
萌えていたことはフランスさんに聞いた。
心から愛する彼であるはずなのに、何故そんなことを。
女性は時として判らないものだと思う。
「ねぇ日本さん、結果が出たら私に最初に教えてね。楽しみにしてるわ。
・・・イタちゃん、帰りましょ」
「え〜っもう帰るのぉ?」
「イタちゃん原宿に行きたいって言ってたじゃない。行くのよ」
「はい、ハンガリーさん。ではまた。」
ハンガリーさんはイタリアくんを伴いウチを出ていった。
それに釣られてか、中国さんも席を立った。
「全くくだらない話アル。我も帰るアルよ、万博の準備で忙しいアル」
「・・・なぁんか、ぐだぐだだったなぁ・・・まぁいいや、二人で何か食べようよ」
元々人が来るのは想定外でしたしね。
私は帰って行った友人を見送り、アメリカさんにご飯を食べさせるため台所に立った。
結果が揃ったら一人で大笑いしてやろう。
全員の結果が、楽しみだ。
作品名:紅茶の中に入れるなら? 作家名:もかこ@久々更新