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太宰さんが真面目になったら。

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「‥‥‥え?今、何と?」
「だから先刻から云っているじゃないか。仕事は無いかい?って」

「‥‥‥国木田さん、太宰さんが壊れました!!!!!」

之は、探偵社で起こったほんの些細な出来事だ。



「…如何云う風の吹き回しだ。お前が真面目に仕事をするなんて、天地がひっくり返ってもあり得ないと思っていた」
「そうですね」
僕――中島敦と、先輩調査員の国木田さんは、武装探偵社のデスクで一人の男を囲んでいた。
その男は、太宰治。僕が探偵社に入るきっかけを作ってくれた人だ…けれども。
「国木田君、それじゃあ私が常日頃から何もしない駄目人間みたいじゃないか」
「事実だが」
この通り全く仕事をしない、駄目人間王国の王子なのだ。
「しかしその日々も今日で終わる!私は生まれ変わったのだ!これからは真面目に仕事をして、安定した収入を得る!」
「敦、如何思う」
「信じられませんね」
普段の太宰さんの行いを見ている僕等からしたら、太宰さんが真面目に仕事をするなんてこと、絶対に有り得ない。
「じゃあ早速だけど、この人探し?をやらせてもらうよ。敦君、手伝い給え」

太宰さん、何かあったのかな…?