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傷痕

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「跡、残ってるな」
バスルームから戻って来たグリフィンが、行為の後でベットの上にしどけなくいるジョエルを見下ろしながら言った。

ジョエルは一瞬何の事か分からなっかたが、すぐに、打ち掛けてあるシーツの端から覗いている自分の左足を見て言っているのだと気が付いた。
膝のすぐ上、その傷跡は、傷は癒えても、肉が引きつれ盛り上がっているのがはっきりと分かる。

グリフィンはベットまでやって来ると、ジョエルの足元に膝を着いた。
「グリフィン…?」
シーツをめくってジョエルの左足を取って、眺めている。
「俺があんたを撃った跡」
「何してる。放せ」
そう、これはグリフィンが銃でジョエルの足を撃った跡だ。
あの日。ポリーを助ける為に相手の意識を逸らそうと挑発するジョエルに、彼は笑いながら引き金を引いた。

「おいー…」
「痛かったか?」
ジョエルが予想していなかった質問が男の口から発せられた。この男が他人の痛みに関心を示すなどとは。
「そんなの……痛いに決まっているだろう」
戸惑いながらとりあえずそう答えると、グリフィンはそっと傷跡にに指を這わせた。
「本当はあの時、銃で撃つつもりなんてなかった。あんたに酷い怪我をさせるつもりなんて。ただ、あんたがあんな事を言うから、頭に血が上っただけなんだ…」
言ってい内容は自分勝手もいい所だが、これは一応謝罪…なのだろうか。
俯いている男の表情は、長い髪に邪魔されて見えなかった。

ジョエルは半身を起こした。
今はもうグリフィンが愛しそうに繰り返し撫でるにまかせている。
「この跡、ずっと消えないか?」
「そうだな、時間がたてば目立たなくなるかもしれないが、多分もう消えないな」
「こんな事したの、許さない?」
ジョエルは心の中でため息をついた。
許さないといえば、この男のしてきた事で許されることなど一つもないのだが。
赦される事を望むのか。こんな男でも?万に一つだが、犯した罪を後悔しているとでも?

相手は俯いたままだ。
「ジョエル…」
ぎゅと足に触れている手に力がこもった。
「もういいだろう、この話題は?」
居心地の悪さに我慢しきれず、ジョエルは言った。
「何というか、お前らしくない」
らしくなくて調子が狂う。こんなコイツは知らない。

「もう寝よう。もう、いいから。こっちに」
来い、とぼそぼそ呟くように言うと、顔を上げた相手は上機嫌な笑顔だった。
「ああ、でも、この傷はイイよな」
うっとりと夢見るような口調で言った。
「あそこまでの怪我をさせたのは想定外だったけど。今まで何度か仕事でタトゥーの入ったモデルを撮影したことあるんだ。だけどこっちのがずっと綺麗だよ。こいつは俺の作品みたいなものじゃないか?嬉しいな、俺がつけた跡が、あんたに一生残るんだぜ」
そう、こういう奴だ。一瞬でも謝っているのかなどと考えた自分が馬鹿みたいだ。腹が立って、恥ずかしくなって、ジョエルは心底嬉しそうな男の顔を睨め付けたが、グリフィンはどこ吹く風だ。
「ああだけどこんな傷じゃまだ足りない。もっともっと身体にも、心にも、あんたは俺のものだって刻んでやりたい」
「変態」
答える代わりに、グリフィンは銃創にうやうやしく口付けた。悪戯っぽい目付きでこちらを見上げる。
「俺だけじゃないと思うけどね。あんた本当は痛くされるの、好きだろ?」
「な…っ」
勘違いも甚だしい言葉に抗議する間もなく、素早い動きで唇を塞がれて押し倒された。

「だって、あんたマゾヒストだろう。する時だって、多少ひどくしてやった方が悦ぶし」
「最低だ」
「自覚なくったって、これから一生かけて分からせてやるから大丈夫さ」
「何が大丈夫なんだ!?意味が分からん!ちょっ待て、ん、…ーあっ」
首筋をきつく吸われて、痛いくらいのそれに、ジョエルの口から漏れたのは、意図せず甘く掠れた声だった。
作品名:傷痕 作家名:あお