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わんころもち
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novelistID. 66123
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第一章  二幕   天狗の少女

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空から舞い降りてきたのは身に着けているものは椛に似ている物の耳や尻尾のようなものは見当たらない少女。

「椛さん、こちらのかたは・・・・・・?」
私は椛の後ろに隠れるようにして疑問を投げかける。

「あやや、自己紹介が先でしたね。」
彼女は射命丸 文(あや) 天狗でこの世界の出来事を新聞にしている椛の上司的な位置にあたるらしい。

椛が私の境遇を文さんに話してくれている間、私は目の前でパタパタと動いている椛の尻尾が気になってしまう・・・・・・
(これ・・・・・・どうなってるんだろ・・・・・・)
我慢できず触った、フサフサとしていて力強く動いていた。本当に尻尾なんだなぁと思っていると視線を前から感じ顔をあげるとそこには頬を少し膨らませた椛の顔が。
「なにしてるんですかぁ、人が話をしているときに。」

「椛といると落着くんじゃないですか?大天狗様には私のほうから報告しておきますよ。なにかあるまでは椛が一緒に居てあげてください。」
文さんはそう言い残すと翼を広げ山のあるほうへと飛び上がったと思うとすぐに見えなくなってしまった。

「ん~、まぁ朝になるまでは家の中にいましょ。」
椛は快く私を招き入れてくれた、だけど私は尻尾の次は椛の頭の上のあのピコピコと動いている耳に興味が移っていた。さすがに椛もその視線に気づいたのか
「さっきみたいに急に触らないでくださいよぉ」軽く注意されてしまった・・・・・・
椛の家は古い家屋みたいな造りで土間、居間と別れていて居間にはコタツが置いてあった。
「まだ冷えるからコタツにでも入っていてください、お茶でいいですかぁ?」
椛の言葉にコクンと頷いて返事をし、コタツにお邪魔させていただく。
(はぁ・・・・・・いろいろありすぎて・・・・・・)
この世界で目が覚めてからそんなに時間が経っていないけどいろいろと起き過ぎて疲れと暖かさでぼーっとしていると
椛がお茶を目の前にトンと置きコタツの向かい側に入りながら
「妖怪のなにかを探すような動きが見えたので向かってみたらあなたが居たのですよぉ。あんなところで目覚めて大変でしたねぇ。」
お茶をすすり尻尾をパタパタさせている椛としばらく話をしているとガラッと文さんが入ってきた。
「椛、大天狗様には報告しておきましたよ。そちらの方が動けるようなら朝になったら神社のほうにでも行ってみたらどうです?」
「あ~、そうですねぇ。文さんは行かないんですか?」

「私はいろいろと取材などがありあますからね!」
と翼を広げて飛んでいってしまった。

『ぐ~~~っ!』
と突然の音が・・・・・・私のお腹から発せられた、落着いたらお腹が減ってきてしまった。

「あはは、なにか食べてから出かけましょうか、私も朝食にするので一緒にどうぞ」
最後にお茶をいただき
「ありがとうございます・・・・・・美味しかったです。」と伝え片付けをし外へでると
朝になっていた。

椛がまた私の背後から腰を掴むと
「さぁ、行きますよぉ」声が聞こえるのと同時に勢い良く飛び始めた・・・・・・
同時に私の意識も・・・・・・飛び行く意識のなかで私は
(あぁ・・・・・・いろいろと不安だけど。もっとゆっくり・・・・・・)
と願っていた。